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2022ドラフト完全展望

阿久津怜生(東大・外野手)×愛澤祐亮(京大・捕手) 宇都宮高[栃木]同級生対談 東西最高学府からの挑戦

 

宇都宮高は1879(明治12)年に栃木中として創立された。2022年は東大14人、京大4人の合格者を出した県下屈指の県立進学校である。同校には志望大学に現役で入学する実力をつけさせるための指導方針が確立されており19年4月、2人はストレートで東大と京大の門をたたいた。大学卒業後の進路に向け決断し、オンライン上でドラフトについて語り合った。
取材・構成=岡本朋祐

大学3年時、東大と京大の定期戦[双青戦、わかさスタジアム]にて撮影。毎年、東京と京都で交互に開催している。左が東大・阿久津、右が愛澤[写真提供=東京大学野球部]


 宇都宮高は地元で「宇高(うたか)」と親しまれ、野球部の創部は1896年。同年の水戸中(水戸一高)との試合は、旧制中学同士の最古の対抗戦として知られる。1924年には甲子園に初出場し、県勢初勝利で8強進出。20年にはセンバツ21世紀枠の候補校(関東・東京地区)に推薦された。2人は東西最高学府の大学野球部に在籍し、「プロ志望」の道を選んだ。

仲間に背中を押された


──阿久津選手は秋のリーグ戦開幕前日、9月9日にプロ志望届を提出しました。

阿久津 野球は今しかできない。チームメートのエース・井澤さん(井澤駿介、4年・札幌南高)もプロを目指している中で、刺激を受ける部分がありました。自分の力がどこまで通用するのか、プロで戦ってみたいと思いました。

愛澤 怜生はプロの世界で通用する部分があると見ていたので、意外だなというのはなく、納得というか……。僕はその時点で、プロ志望届の提出を考えていませんでしたので「怜生が、ドラフトでかかるといいな……」と、他人事のような思いでいました。

──愛澤選手は9月20日に提出。阿久津選手の「挑戦」を受けて気持ちが変わった、ということですか。

愛澤 ウチの大学からも水口(水口創太、4年・膳所高)が提出していまして、自分としても「やり切れるところまでやる」と、次のステージで野球を続けたい思いがありました。1%でも上で通用する部分があって、もし、スカウトさんが評価してくださって、プロに行けるのならば、ここで出さないと一生、後悔する、と。捨て身の覚悟で、出させていただきました。

阿久津 まったく知りませんでした(苦笑)。ネットニュースで知って……。

愛澤 すごく、反応が早かったんですよ!(笑)。ビックリしました。

──就職活動は、していましたか。

愛澤 最初はしていましたが、大学院への合格が出まして、基本的にはドラフト指名がなければ、大学院へ進学することになるかと思います。

阿久津 指名がなければ(内定している企業で)普通に働くと思います。

──愛澤選手が言う阿久津選手の「通用する部分」とは何ですか。

愛澤 スピードです(50メートル走6秒1)。東京六大学の選手の中でも、突き抜けている。打撃も穴がなくなり、この秋は、2本塁打。総合力の高い外野手に成長している印象です。

阿久津 愛澤は器用で、何でもできる。関西学生でも捕手だけでなく、下手投げの先発投手から降板後は捕手に入ったり、どのポジションもソツなくこなす。投手は今年2月から、密かに練習したらしいです。マスクだけでなく、今春はマウンド上でも勝ち点2に貢献し、驚きました。

愛澤 外野手から捕手に転向した3年春以降、キャッチャーという特性上、勝たないと評価されない。僕のアンダースローという武器が・・・

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