週刊ベースボールONLINE

<COVER INTERVIEW>“頂”を目指し続け

オリックス・吉田正尚インタビュー 感無量から時が経ち「粘りとか、執念とか言われますけど、 一番はみんな負けず嫌いなんですよ」

 

感無量──。日本シリーズ第5戦で2本のアーチをかけ、うち1本はサヨナラ弾と勝負強さを見せた主砲が、お立ち台で、この言葉を繰り返した。劇的勝利で2勝2敗1分けと五分に戻し、敵地・神宮で連勝を飾って頂へ。歓喜の日本一から時が経ち、思うこと、感じること──。主砲・吉田正尚が今季、そして次なる戦いへの思いを語る。
取材・構成=鶴田成秀 写真=佐藤真一

日本シリーズ第5戦、同点の5回裏。センター右へ弾丸の勝ち越し弾をたたきこむと、ライトスタンドを指さしたことを、本人は覚えてはいない


変化は進化


 激闘を終えてから数日後。いつものように静かにゆっくり語り始める中に充実感がにじむ。歓喜をつかむまで、そして今も不変の“強い心”だが、打撃フォームは変化を見せていたのも事実。ただ、それは前に進むための進化でもある。

──激動かつ劇的な今シーズンも幕が下りました。特に9月からの2カ月間は、濃密な時間だったと思います。

吉田 パ・リーグ連覇、日本一を掲げて、今年がスタートして。その両方を達成することができて、すごく充実した1年になりましたね。確かに9月以降の2カ月間はチームに貢献することができたし、より濃い時間で。非常にうれしい気持ちです。その分、疲れも……。試合が続いているときは感じなかったんですけど、日本シリーズ最後の試合が終わって、どっと疲れが出てきています(笑)。集中力が高まっていたから充実していたし、だから疲れも出てきているんだと思うんです。

──心地良い疲れですね。

吉田 本当にそう。まあ今はとにかく、ホッとした気持ちが大きいんですけどね。

──振り返れば、大混戦でのリーグ優勝争いの最中『混戦を勝ち抜くチームが本当に強いチーム』と言っていました。

吉田 強いかどうかは、皆さんに評価していただくことでもありますが、でも最後まであきらめず、皆で最後まで戦えた。最初は首位から10ゲーム差以上も離されていましたから(5月に最大11.5差)。そこから粘り強く戦い続けて、少しずつ追い上げて。最後の試合で優勝が決まるなんて。そんなシーズン今まであった? と思うくらいしびれるシーズンでした。

──あきらめない姿は随所に見られましたが、その根底には何があるのでしょう。

吉田 それは・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング