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オリックス・バファローズ 日本一の舞台裏

<SIDE STORY>頂上決戦舞台裏 『全員で勝つ!!』の真髄。

 

結束を感じられるのは、何も試合内容だけではない。グラウンド内外、試合前後の選手の姿、さらには裏方との絆も『全員で勝つ!!』を表わすもの。2敗1分けから4連勝で頂点に駆け上がった日本シリーズ。連勝が始まる約8時間前の『涙と笑顔』にもう1つの物語がある。
取材・文=鶴田成秀

10月26日の第4戦に挑む練習開始前。10月で定年退職を迎える上岡千夜子さん[写真左]、藤田義隆通訳[右]に選手会からサプライズプレゼント[写真=球団提供]


4連勝の呼び水に


 日本シリーズ第4戦が行われた10月26日。選手のロッカールームに置かれる連絡掲示板に、こう記されていた。

『14時45分、グラウンドに全員集合』

 前日の第3戦まで未勝利。敵地・神宮で幕を開けた頂上決戦は、第1戦でエース・山本由伸の緊急降板もあって黒星発進、第2戦は3点差の9回に同点に追いつかれて延長12回の末に引き分け。移動日を挟んだ本拠地・京セラドームでの第3戦は、強力ヤクルト打線に主導権を握られ1対7で敗れていた。

「ミーティングかしら」――

 そう思っても仕方ない。ロッカールームの掃除、ユニフォームの洗濯カゴを運ぶなど、運営グループの一員として汗を流し、ナインに“お母ちゃん”と親しまれる上岡千夜子さんは「自分には関係ないこと」と思い込んでいた。時間を気にすることなく、球団職員と休憩を取っていると、佐藤達也広報に声をかけられる。

「何やっているんですか!?全員集合ですよ。早くグラウンドに来てください!!」

 慌ててグラウンドに出ると・・・

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