11月14日の記者会見で後悔の思いも口にした村上宗隆だが、4つの打撃タイトルは、そうした苦闘を含めた143試合の積み重ねで手にしたものにほかならない。一朝一夕で得られぬ栄冠──。タイトルを勝ち取った男たちが、輝きを放ち、真価を示した試合やプレー、その流儀をピックアップしていく。 ヤクルト・村上宗隆 “読み”が生んだ、会心の一撃
首位打者/最多打点/最多本塁打/最高出塁率 2022.7.21 vs阪神 @甲子園 
高く弧を描いた打球は浜風を切り裂き右翼席へ。全打点を挙げる活躍で勝利に貢献し、阪神との3連戦を1勝2敗で持ちこたえた[写真=松村真行]
冴えた冷静な頭脳 2022年、“プロ野球の顔”と言っていい。22歳の若きスラッガーは、打率.318、56本塁打、134打点といずれもキャリアハイを更新する成績を残し、史上最年少での三冠王に輝いた。
ヤクルトは26年ぶりのリーグ連覇を達成。かつて「チームを勝たせる四番になりたい」と語っていた男は、まさにその言葉どおりの活躍を2年連続で見せた。
39本で初の本塁打王に輝いた昨季は打率.278。1年で凄まじい成長を見せた打撃だが、その真骨頂と言えるのが、7月31日の阪神戦(甲子園)のことだ。
阪神の先発・
ガンケルの内角攻めに苦しみ2打席ノーヒット。6回終了時点で0対2とリードを許していた。先頭で回ってきた7回の第3打席、二番手の左腕・
渡邉雄大から左翼席へ35号ソロを放った。最初の2打席とは一転して外角中心の勝負。その配球を読むかのようにカウント1-2から外角のスライダーを踏み込んで逆方向に弾き返した。
1対2で迎えた9回一死では・・・
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