昨日の自分を超えていく。あくなき向上心を持つ右腕にとっての記録は「答え合わせ」──。史上初となる2年連続の投手4冠に輝き、今季も沢村賞を受賞した球界屈指のエースが、自身の投球と重ね合わせながら数字や記録についての思いを口にする。 取材・構成=鶴田成秀 写真=佐藤真一 積み重ねだからこそ
約半年間に及ぶ143試合の長丁場。過酷なシーズンを戦い抜くからこそ、残す数字の重みは増すばかりだ。球界屈指のエースとなった男も、その思いに変わりはない。記録も成績も、そして自身の投球も、大事なのは“積み重ね”だ。 ──2年連続投手4冠の圧巻の成績を残した今季をどのように振り返りますか。
山本 個人的にも良い成績を残せましたし、チームも日本一になれましたので、本当に良い1年だったと思います。これが良かった、何が良かった、というものはないんですけど、本当にチームが日本一になったことが一番で、その力になることができた成績を残せたことが、一番うれしいことでした。
──では、そんな数字や記録は山本由伸投手にとって、どんなものなのでしょう。
山本 何だろう……。記録、数字……。やっぱり昨年と同じ答えになりますね。
──『答え合わせ』と言っていましたね。
山本 はい。今年1年やっても、それは変わらないです。自分がやっていることが合っているのか──。やっぱり数字は、誤魔化せないですから。だから、昨年も今年も、成績を見ると、やってきたことは間違ってはないんだな、と思います。
──数字や記録は1試合ごとに残るものでもあります。そんな答えは、何をどのように合わせていくのでしょうか。
山本 いや、1試合ごとではないんです。今年はズバ抜けて良いピッチングができた回数は多くはなかったんですけど・・・
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