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2022プロ野球記録集計号

【File.4】史上最多タイ5度のノーノー 4人のノーヒットノーラン+1 誰の、何がすごかったのか!?

 

完全試合の佐々木朗希に続き、さらに4人のノーヒッターが生まれた。延長での完全試合未遂という記憶に残る快投もあった。「4人+1人」の投球を、あらためてデータで振り返っていく。
データ提供=Japan Baseball Data


東浜が築いたゴロの山


 ロッテ・佐々木朗希の完全試合に呼応するように、今季はその後も4人のノーヒッターが生まれた。いずれもシーズンのベストピッチと言える快投を見せたからこその偉業達成だったが、それぞれに、何が、どうすごかったのか。あらためて各試合の投球データをもとに振り返っていこう。

ソフトバンク東浜巨

ひがしはま・なお●1990年6月20日生まれ。右投右打。182cm83kg。沖縄県出身。[甲]沖縄尚学-亜大-ソフトバンク13[1]


 佐々木朗に続いたのはソフトバンクの東浜巨だ。2四球を許したもののいずれも併殺に斬って取り、100球未満で完封する「マダックス」を完璧な形で成し遂げる97球の省エネ投球。完全試合を除くと27人、残塁ゼロのノーノーは史上4人目だった。目につくのは2つの併殺を含めた「ゴロ」だ。シーズン全体の割合は5割弱だが、この試合に限ればゴロ率はなんと74%に上る。

 初球の入りを含めてシンカーとカットボールの割合を増やし、実際にこの2球種で9個のゴロを打ち取っているが、それもストレートのキレがいつも以上にあったからこそか。平均球速はシーズン平均より1.7キロ速い148.4キロで、9回になっても150キロを計測し、ストライク率は10%以上も高い71.4%に達した。ストレートという軸があったことで、あえてシンカーとカットボールを増やして強力西武打線を幻惑したとも言える。

DeNA今永昇太

いまなが・しょうた●1993年9月1日生まれ。左投左打。178cm83kg。福岡県出身。北筑高-駒大-DeNA16[1]


 DeNAの今永昇太は、数字の上では「普段どおり」の投球の延長上で快挙を成し遂げたように見える。ただ、やはりカギはストレート、カットボールのファストボール系だっただろう。

 カーブやスライダーの割合は下がり・・・

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