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2022プロ野球記録集計号

【File.3】“快投乱麻”を徹底解析 佐々木朗希が完全試合をできた理由

 

球史に残る大記録――。28年ぶりとなる完全試合に2つの奪三振記録を打ち立てた“令和の怪物”はなぜ、偉業を成し遂げることができたのか。4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)での全105球を徹底解析した結果が、その答えだ。
データ提供=Japan Baseball Data

4月10日のオリックス戦[ZOZOマリン]で完全試合を達成した佐々木朗希の投球は圧巻の一言だった


驚異の球威でゾーン勝負


 衝撃の105球――。4月10日のオリックス戦(ZOZOマリン)で“令和の怪物”こと佐々木朗希が話題を独占した。もはや説明不要だろうが、28年ぶりの完全試合達成は、13者連続奪三振の日本記録樹立、さらに1試合19奪三振の日本タイ記録と、圧巻の奪三振ショーで日本中の注目を集めた。

■4月10日のロッテ対オリックス 完全試合のスコアと打席結果

※カッコは先発、△=左打ち、□=両打ち


 27人の打者に対し、1人の走者も許さず19奪三振。上に掲載しているスコアと打席結果を見るだけでも圧巻の一言だが、快投を演じたのは高卒3年目、弱冠21歳と史上最年少での完全試合だから末恐ろしい。日本記録を次々と更新しかねない“怪物”だが、一軍デビューを前にした昨季の開幕直前に「目指す投手像」を問うと、こう口にしていた。

「完成はないと思うんです。でも、方向性は見えてきました。いずれは先発投手として、アベレージで100マイル(約160キロ)近く投げられるようになりたい。最速は記録的な感じで、試合の勝敗には直結しないので。アベレージが上がれば、変化球も生きてくる。その精度を上げていきたいなと思っています」

 理想を体現したと言えるのが、この完全試合だ。それは投じた全105球を見て分かること。105球をひも解けば、怪物のすごみが見えてくる。

 まずは、やはり球速だ。この日の最速は、自己最速タイとなる164キロを計測したが、注目すべきは、【データ2】のアベレージ。平均球速は・・・

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