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2023 NEXT BREAKERS 開花目前の先発候補たち

ヤクルト・山下輝インタビュー 光る対応力「来年はチームに貢献して優勝を味わえるように」

 

ドラフト指名直後に左腕尺骨の疲労骨折が判明。入団後もリハビリに時間を注いだが、シーズン終盤には満を持して一軍マウンドに立った。プロ初勝利、日本シリーズも経験した濃密なルーキーイヤーを振り返る。
取材・構成=小林篤 写真=高塩隆、BBM
※選考対象は新人王資格(支配下登録されてから5年以内、2022年までの登板イニング数が30イニング以内)を有する先発候補の投手に限定。新人も含む

コーナーを丁寧に突く投球が持ち味。ダイナミックな投球フォームから繰り出す多彩な変化球で打者を打ち取る


初登板で得たもの


 1年目は一軍でわずか2試合の登板で1勝1敗──。即戦力の大卒ドライチとしては物足りない数字に見えるかもしれない。しかし、山下にとってこの2試合は、2年目の飛躍へつながる貴重な経験となった。

――プロ1年目を終えましたが、どんなシーズンでしたか。

山下 リハビリからのスタートでしたが、目標に立てたプロ初勝利を最後の最後に回ってきたチャンスで達成できたので、そこはなんとか、自分の目標についてはクリアできたシーズンでした。

――日本シリーズも経験できた1年でしたが、あらためてリハビリ期間を振り返るとどうですか。

山下 かなり苦しかったですね。投げられない時間が続いたので、何をしているんだという感じでした。新人合同自主トレが始まった1月も室内でネットスローを行うくらいでしたし。春季キャンプに入ってキャッチボールを始めたときは、投げられる喜びを感じましたね。

――練習試合の登板を経て、7月5日のイースタン・日本ハム戦(鎌ケ谷)が公式戦初登板。実戦復帰までの道のりは順調だったのでしょうか。

山下 いろいろと良い悪いがあって、順調には行かなかった部分はありましたが、これが最短のルートだったのではないかなと思います。

――二軍戦では6試合に登板し、防御率1.59の好成績でした。

山下 特に一軍昇格前の2試合は自分の中でも手応えがありました。どちらも7回を投げたのですが、体の状態も問題なく、この感じなら一軍でも投げてみたいなと。

――そして、9月22日の中日戦(神宮)で一軍初登板を迎えました。

山下 緊張しましたね。神宮球場の雰囲気も大学時代(法大)とはガラっと変わっていましたし、初登板は日本シリーズよりも緊張しました。

――結果は5回途中9安打2失点で初黒星を喫しました。

山下 内容としてあの試合は左打者への被打率が高くて(被打率.600、10打数6安打)、これは左打者に対して食い込む球が必要だなということになったんです。そこで伊藤(伊藤智仁、投手)コーチからワンシームとチェンジアップを練習してみようかという話がありました。

――左打者への対応ということですが、二軍では右打者の被打率.300に対し、左打者は被打率.118と左を得意としていました。

山下 二軍で投げ始めた最初のころは・・・

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