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2023球界マネー事情

<COLUMN>「推定年俸」はなくならない。

 

いつの時代も主力選手の契約更改は大きなニュース。写真は1999年更改後の上原浩治[巨人]


 昨年末、放送された『プロ野球戦力外通告』(TBS)をめぐり、興味深い出来事があった。オリックスを契約満了になった海田智行のところにバッティング投手のオファーが舞い込んだのだ。電話を受けた海田は妻に「阪神のバッピで700万だって」と告げる。シーンそれ自体はあくまで「現役続行にこだわるか、裏方に回るかの煩悶(はんもん)」を描いたものだったが、番組を見ていた野球評論家の藤川球児氏が「海田さん、そんな企業内部のお金の話しちゃダメよ」とツイートしたのだ。

 これを受け、SNS上で「それは海田本人ではなく、契約の機微に触れる部分を編集で落とさなかったテレビ局側の問題ではないか」といった声が上がった。藤川氏も「確かにご指摘のとおり、ドキュメント番組で海田さんご夫婦の会話の内容を編集したものですね。僕にとって守りたい方々がいる組織だったので反応してしまいました」と応じ、先のツイートを削除した。この話はこれにて一件落着だ。僕には何か蒸し返そうみたいな意図はない。

 ただ「プロ野球選手とお金」の問題に関しては面白いところに触っていると思う。本来は藤川球児氏の言うとおりなのだ。(密着ドキュメントの中の海田選手に責任はないけれど)オファーの内容、契約の機微を外部に漏らさないのは常識の範疇だ。それはビジネスマナーの基本であり、多くの場合、守秘義務を負ったりする。

 が、「プロ野球選手とお金」は一方で非常にルーズな状態に置かれている。毎年・・・

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