栗山英樹監督率いる侍ジャパンが世界一奪回へスタートを切った。2月17日からは宮崎合宿が始まり、25日には初実戦。3月上旬には大谷翔平ら、すでに合流しているダルビッシュ有以外の4人のメジャー・リーガーが加わり、チームは完全体に。3月9日の初戦・中国戦へ向けてさらにギアを上げていくが、果たして3大会ぶりの頂点は実現するか。今週号は世界一への道を完全展望する。 写真=湯浅芳昭 ※特集の情報はすべて2月26日現在 侍ジャパンの初実戦は2月25日のソフトバンク戦。先発の佐々木朗希は最速162キロをマークするなど、力強いピッチングで2回1安打3奪三振、無失点とソフトバンク打線を抑え込んだ
世界一へ高まる機運
「一緒に世界一を獲りにいくぞ」──。
言葉は違えど、30人の侍たちを選考するにあたり栗山英樹監督は明確でストレートなメッセージをそれぞれに伝えた。2013年と17年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では準決勝敗退の屈辱を味わうも、21年の東京五輪の金メダルで誇りを取り戻し、いざ14年ぶりの世界一を目指す戦い。史上最強との呼び声高い栗山ジャパンへのファンの期待は、日を追うごとに高まっている。
2月17日からの宮崎キャンプでは選手たちが生み出す熱気を感じ取り、指揮官は「しっかり仕上げてきてくれている」と目を細めた。キャプテンは置かないことを決めたのは「チームが勝つために必要なのは全員が行動し、話をして、全員が引っ張ってもらいたい」というメッセージだったが、MLB勢唯一の合宿参加となったダルビッシュ有が特大の存在感を放ち、野手最年少の
村上宗隆が誰よりも声を張り上げ「走攻守で引っ張っていきたい」と口にするなど、一流の集団に肩書など必要ないことを証明。ダルビッシュも「チーム一丸となった野球を見せることができる」と自信をのぞかせる。
初の実戦となった25、26日のソフトバンクとの壮行試合では細かなミスこそ出たものの、個々の仕上がりの良さは確認できた。逆に修正点が再確認できたことを収穫として調整を進めていくはずだ。
【2023WBC主なルール】 ■タイブレーク 延長10回以降はタイブレーク制を実施。無死二塁から始め、打順は9回終了時点から引き継ぎ、走者は先頭打者の直前の打順の選手となる。
■コールドゲーム 1次ラウンドのみ適用。7回以降に10点差以上、5回以降に15点差以上がついた場合にはコールドゲームとする。
■投手の球数制限 1試合につき1次ラウンドは65球、準々決勝は80球、準決勝以降は95球を超えて投げることはできない。打者の打席中に投球制限に達した場合は、その打席完了まで投球できる。
・1試合で50球以上投げた場合、次の登板まで中4日を空けなければならない。
・30球以上、または2試合連続で投げた場合、次の登板まで中1日を空けなければならない。
■最低対戦打者数 登板した投手は最低3人の打者と対戦するまで、もしくはイニング完了まで降板することができない。
■指名打者制(DH制) 全試合で採用される。同一選手による先発投手と指名打者の兼任が可能。
■順位決定方式 1次ラウンドで同順位の場合は以下の方法で順位を決定する。
(1)2チームが同順位の場合は直接対決で勝ったチーム
(2)3チームが同順位の場合は当該チーム間の対戦成績で決定。それでも同じ場合は[1]守備1アウトあたりの失点数が少ない[2]守備1アウトあたりの自責点数が少ない[3]打率が高い[4]抽選の順に決定する
■指名投手枠 最大10人まで登録可能。最終メンバーに2人まで登録することができ、各ラウンド終了後(準々決勝、準決勝の前)に指名投手同士の入れ替えができる。1度外れた投手は再登録することはできない。
【WBC2023/侍ジャパンの日程】 1次ラウンド/東京ドーム 3月9日 19:00 vs中国
3月10日 19:00 vs韓国
3月11日 19:00 vsチェコ
3月12日 19:00 vsオーストラリア
準々決勝ラウンド/東京ドーム 3月16日 19:00 vsプールA1位or2位
決勝ラウンド/ローンデポ・パーク(アメリカ) 3月21日 8:00 準決勝
3月22日 8:00 決勝
※日時は日本時間 【1次ラウンド各プール】