元捕手、元打者、元審判員の4氏に「自分が現役時代に関わった中で、最高の剛球投手は誰でしたか」という質問を投げかけ、その答えを語ってもらった。 取材・構成=小林篤(坂口)、落合修一(加藤)、武石来人(山崎) 【キャッチャー、アンパイヤ編】はこちら 【バッター編1】坂口智隆・1打席だけの経験が強烈だったJ.ウィリアムス
1球で「これは無理だ」 セ・パ両リーグで20年間プレーさせていただきましたが、一番すごかったのは元阪神のJ.ウィリアムスです。
オリックス時代に交流戦で一度だけ対戦したのですが(2009年5月23日、スカイマーク)、印象はピカイチで残っていますね。
すでに活躍もしていましたし、球が力強い左のサイドスローという認識は当然ありました。ただ、打席に立って1球見ただけで「これは無理だ」となりました(苦笑)。想像以上の球で頭の中はハテナだらけ。少し
シュート回転するストレートなのですが、球筋がぐちゃぐちゃで、うなっている。速い球は得意にしていましたが、初めて「怖い」と感じました。「もう打席に立ちたくない」とも思いましたね。
結果は空振り三振で、バットも折られた記憶があります。どんな投手でも、どう打つかがひらめくのですが、それがまったく考えつかない。攻略法はなくて、ヒットを打ちたいならウィリアムスがマウンドに上がるまでに別の投手から打つしかない(笑)。それぐらいすごかった。どうにもならないなと思ったのは後にも先にもウィリアムスだけです。たった1打席でこれだけのインパクトです。脳裏に焼き付くとはまさにこのことかという感じですね(笑)。
球質の汚さ、重さ、強さ 剛腕とは何かと定義するなら、『恐怖心』でしょうか。球自体の勢いというか・・・
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