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魅惑の快速球  CLOSE-UP INTERVIEW

【160キロの秘密】オリックス・山崎颯一郎インタビュー 球速はタイミングなんだなって 「スピードはロマンがある。だから──」

 

スピード表示の急上昇が止まらない。最速150キロの壁を越えずにいた右腕だが、2019年8月にトミー・ジョン手術を受け、完治後の21年に一軍デビュー以降、各段にスピードが増した。昨季はCSで球団日本人歴代最速となる160キロの大台にも到達。武器と自負するストレートの「感覚を知った」と言う球速アップの秘密を探る。
取材・構成=鶴田成秀 写真=中島奈津子


伸び悩んでいた球速


 長い手足に190cmの長身。敦賀気比高時代から『北陸のダルビッシュ』と注目された右腕だが、球速は150キロに届かず。ただ、ある感覚を知ると一気に球速が上昇。「力ではない」を体感した。

──昨季の投球割合は6割以上が直球。当然、こだわりを持っていると思います。

山崎 僕の生命線ですから。速いボールを投げたいとか、そういう思いは持っていなかったんですけど、ピッチャーを始めたときから、自然とそうなっていて。(敦賀気比)高校のときも、スピードが出ていたわけではなかったですが、空振りも取れていましたし。そういう球質だったのかなとも思うので、(敦賀気比高・東哲平)監督からも「真っすぐを生かす変化球をつくっていこう」と言われていたので。今もやっぱり、投球のベースは真っすぐなんです。

──ストレートを磨く中で、大事にしていることはあるのでしょうか。

山崎 成長して体ができて、体をしっかり扱えるようになれば、自然とスピードも上がっていくものと考えていました。でも、高校時代はなかなかスピードが上がらなかったんですよね。

──当時の最速は144キロでした。

山崎 そうなんです。平均球速は130キロを超えるくらいでしたから。それも1年生から3年間、ほとんど変わらず。どうやったらスピードって上がるん? って思っていたんですよ(笑)。

──プロ入り後も19年まで150キロに届かない中、同年8月にトミー・ジョン手術を受け、その後に球速が上がりました。

山崎 プロに入っても出て140キロちょっとで、空振りが取れなくて。スピードもそうですけど、どうすれば質の良いストレートが投げれられるんやろうって、ずっと考えていたんです。でも・・・

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