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2023シーズン大展望 いざ、3連覇へ DEFENDING CHAMPION'S INTERVIEW

オリックス・杉本裕太郎インタビュー 揺るがぬ思いが原動力 「バッティングは力じゃない。センターに強く──」

 

頂点を目指す長い戦いが間もなく幕を開ける。2年連続のリーグ優勝、悲願の日本一を達成した“前年王者”も、再び頂点奪取を期す中で欠かせないのが打線の奮起だ。絶対的な軸である吉田正尚がメジャーに移籍した今季、代わって大黒柱としての期待が寄せられる男が、新シーズンへの思いを語る。揺るがぬ強い決意を胸に、新たな戦いに挑んでいく。
取材・構成=鶴田成秀 写真=佐藤真一


競争意識を持ちつつ今年も『全員で勝つ!!』


 リーグ連覇に日本一――。勝利の味を知ったことは何よりの財産だ。ただ、決して自分一人で勝ち取ったものではないことも心得る。頼りになるチームメートがいるからこそ、気負わず役割をまっとうするだけ。再び頂点を目指す主砲の原動力はシンプルだ。揺るがぬ思いはバッティングの考えにも直結する。

──間もなく新シーズンが幕を開けます。

杉本 良いキャンプも送れましたし、キャンプイン前日(1月31日)には宮崎で優勝パレードもさせていただいて、より一層モチベーションが上がりました。『今年もやってやろう』と。今年もシーズンが来る! と、ワクワクしています。

──チームは3連覇、2年連続日本一に挑むシーズンですが、杉本選手個人として挑むものは何になるのでしょう。

杉本 う〜ん……なんやろ……、やっぱり、そこに尽きると思います。パ・リーグ3連覇、2年連続の日本一に僕自身も貢献できるようにプレーしていく。チームの勝利、皆でもう一度、頂点に立つ。そこに挑むシーズンなのは、個人としても同じことです。

──では、連覇を遂げた中で分かった「勝つために必要なこと」は何になりますか。

杉本 結果なんで、良いときも悪いときもある。でも、どんな結果になろうとも、やっぱりチームの雰囲気が良いと、結果も良くなるなって。仮に試合に負けたとしても、切り替えていけるかだし、切り替えるためにも雰囲気を良くしないといけない。と言っても、意識して雰囲気を良くしようとは思っていなかったんです。自然に雰囲気が良くなっていったというか。結果は出るけど、結果だけに目を向けず皆で戦っていくこと。そこがやっぱり大事やなと思いました。プレッシャーもあるけど、そこを感じないというか、感じさせないというか。

──重圧で言えば、吉田正尚選手の移籍もあり、杉本選手に寄せられる期待も大きくなっています。

杉本 そのことは、いっぱい聞かれますから(笑)。期待をかけていただくことはありがたい。でも、自分としてはあまり気にしていないのが正直なところなんです。チームには、ほかにも良いバッターがたくさんいますから。ホントに皆で正尚の穴をカバーしていくだけ。その中で皆に負けないようにやっていくだけです。

──その「負けない」ことこそが、杉本選手が果たす役割になると思いますが「負けられない」部分は。

杉本 僕はやっぱり打撃あっての選手なので。やっぱり打つことは負けたくないし、負けられない。打撃面の成績は、しっかり残していきたいと思っています。中でも、やっぱり打点になる。自分の打点はチームにとっての得点なので。点を取れば、勝ちに近づくので、そこは意識し過ぎないようにしつつも、多く挙げていきたい部分です。

──昨季、特にCS以降のポストシーズンは杉本選手の一打が勝利に直結する試合も多かったです。

杉本 開幕してからはなかなか打てず、シーズン中に、もう少し打てていればと思っているんですけどね……。そんな中でもチームが勝てたので、満足していることですけど、個人としては満足できないというか。打てなかったのは・・・

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