昨季は21歳にしてゴールデン・グラブ賞を獲得。球団史上最年少受賞の快挙であった。開幕スタメンからリーグ優勝の歓喜も味わった1年、しかし、今も胸に刻まれているのは一つのエラーだった。誰よりも信頼されるショートストップへ──。その姿、その言葉には慢心はどこにも見当たらない。 取材・構成=小林篤 写真=菅原淳、湯浅芳昭、BBM 自分が引っ張っていく
1年前はショートのポジションを奪いにいく立場だった。今はその座を守り、追われる存在となった。元山飛優、同学年の武岡龍世らライバルがキャンプ序盤から猛アピールする中で、長岡秀樹も負けじと攻守で安定したプレーを披露。1年の時を経て、その姿には何か余裕すらも感じさせる。いよいよ幕を開ける2023年、スワローズはリーグ3連覇を目指す。秋に満開の笑顔を咲かせるために、攻守で勝利へ導くプレーを誓う。 ──4年目のキャンプはいかがでしたか。
長岡 ノックは数も多く受けれましたし、打撃でもたくさん振り込むことができたので、すごく充実したいいキャンプになったなと感じています。
──昨年、初めて1年間を通して一軍でプレーしての今キャンプ。これまでと何か心境の違いはありましたか。
長岡 いや、特にはないですね。今までどおり昨年と同じように、また一からガムシャラにポジションを獲りに行くという気持ちは変わらなかったので。今年も昨年も同じぐらいの必死さでした。
──昨季はショートで139試合出場しましたが、まだレギュラーという立場にはいないということですか。
長岡 そうですね、(レギュラーだとは)まったく思っていないです。
──ただ1年間ショートを守り抜いたことは今季の力になると思います。
長岡 昨年1年間で経験させてもらったことは、これからの野球人生に絶対プラスになりますし、この経験をなんとか生かしたい。今はその気持ちが強いです。
──キャンプやオープン戦での姿は、一段と頼もしさが増したように映ります。変化は感じていますか。
長岡 昨年は(試合に)積極的に出させてもらいましたし、(キャンプ途中から)WBCメンバーも抜けるということで、自分から率先して声を出したり、ピッチャーに声を掛けに行ったりということは特に意識してやっていました。
──1年前なら……。
長岡 昨年だったら、自分から動けなかったこともありました。どうしても先輩に頼ってしまう部分が大きくて。今年は「自分が引っ張っていくぞ!」というぐらいの気持ちで、やっていこうと思っていました。
──WBC日本代表選出で、野手は
中村悠平選手、
村上宗隆選手、
山田哲人選手がキャンプ途中にチームを離れました。あらためて存在の大きさに気づくこともあったのではないですか。
長岡 一番に声を掛けたりですとか、チームを引っ張られていたんだなというのは、(いなくなって)より一層思いました。その姿を間近で見てきたので・・・
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