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2023WBC総決算 世界に誇る侍戦士

<愛と情熱の指揮官>栗山英樹監督 信こそ力なり。「野球って本当にすごい。人生を表現している」

 

幾多の物語が結実した世界一奪還。自分自身との戦いもありながら、チームを、日本の力を信じて力を発揮した侍たちの戦いを振り返る。
写真=Getty Images

世界一の頂点に立つと、信じて起用し続けた村上に抱きつく栗山監督


濃密なドラマの数々


 野球少年のように無邪気に喜んだ。「イエーイ!」とティファニー製の優勝トロフィーを掲げ、シャンパンファイトでも「みんなが喜んでよかったね。イエーイ!!」。この日ばかりは、極上のハッピーエンドに酔いしれた。

 いつもは常識にとらわれない栗山英樹監督も、ラストシーンは疑わなかった。1点リードの9回二死。大谷翔平とマイク・トラウトの対決。帰国後のテレビ出演で、その瞬間を振り返った指揮官は「ゲッツーで二死となった瞬間に『勝てるかもしれない、この物語』って。完全に物語ですよね」。89番を背負う名将が紡いだ数え切れないほどの濃密なドラマが、3大会ぶり3度目の優勝を引き寄せた。

 大谷との物語――。今大会のメインストーリーだ。日本ハムの監督として2012年秋のドラフトで1位指名した11年前から本格的にスタートした。花巻東高から日本プロ野球を経ずにメジャーを目指した18歳の少年に「二刀流」という道を切り開き、世界一の選手になろうと誓い合って二人三脚で歩んだ。メジャーへ送り出したあとも・・・

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