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2023球場物語 ボールパークの進化と郷愁

<OBインタビュー>工藤公康(元西武ほか) 「思い出されるのは球場の“食”。スタンドが広々として、四季を感じられる西武球場も印象深い」

 

プロ野球歴代1位の実働29年を誇る工藤公康氏。一軍公式戦で登板したのは37球場と、その数は圧巻だ。鉄腕が語る球場の今昔とは――。
取材・構成=小林光男 写真=BBM

西武球場で1年目から登板して数々の実績を築いた


肉うどんにサイダー


 球場での思い出は? と聞かれると頭に浮かぶのは“食”です。例えば、南海の本拠地だったナンバ球場(大阪球場)。先発になってからですが、上がりのときに食堂で肉うどんを食べて、夏場はサイダーを飲んだ瞬間に「先発で良かった!」と実感して(笑)。そのほか、川崎球場ならラーメン、西宮なら広島風のお好み焼きを2つに割って食べて、などなど。なんか、そういったことを思い出すんですよ。あとはナンバ球場や川崎球場、西宮球場、日生球場などでは若手にはロッカーがなかった。というか、ロッカーやシャワールームはあるんですが、そこは主力選手が使う。若手は入れないから、廊下に荷物を置いて着替えたりするんです。今じゃ、考えられないですよね。

 それと今思うと、私たちの時代の球場は照明が暗かった。白熱電球や蛍光灯でしたが、ただ、それが当たり前だったのでサインが見えづらかったりしましたが「なんか暗いなあ」「オレンジっぽいなあ」と、そんな感じでした。1回、川崎球場で投げているときに、いきなり照明がパチンと消えたことがあって。復旧するまでに30分くらい試合が中断したこともありました。その後、照明がLEDとなって、光が白くて、きれいでびっくりしましたね。でも、野球のエンターテインメント性を引き出しているうちの一つがLEDだと思うんです。色鮮やかになって、さまざまな演出ができる。球場自体が明るく、清潔で過ごしやすい場所というイメージアップにつながっています。それで、若い子たちが「球場に行ってみよう」と思うことにつながっているのは確かでしょう。

 球場の狭さも昔は共通していたことですが・・・

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