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2023球場物語 ボールパークの進化と郷愁

<OBインタビュー>山崎武司(元楽天ほか) 「ナゴヤドームとKスタ宮城。実は本拠地球場が一番打ちづらかった」

 

セとパの両リーグで本塁打王を獲得した。通算403本塁打を30球場で放っているが、意外にも本拠地の球場を苦にしており、ビジターの球場のほうが相性が良かったようだ。
取材・構成=牧野正 写真=BBM

球場の好き嫌いは本塁打を打ちやすいかどうか。広さ以上に球場の雰囲気、そして風がポイントだった


球場は雰囲気が大事


 僕が一番好きだったのは神宮球場です。狭いのもそうですが、打席に立つと打ち下ろしに見えて打てる気がするんですよ。外野方向への風の影響で打球がよく伸びるし、これは横浜スタジアムもそうなんですが、うまく上げれば本塁打になる感覚でした。ダイヤモンドが狭く見えましたし、昔の神宮は外野のフェンスも低かった。左翼を守っていたとき、頭上付近にもうお客さんがいましたからね。調子を崩していても不思議と神宮では打てる気がしたものです。ベンチ裏にヤクルトが飲み放題で置いてあったのも大きかった。

 だから本当にFAを使ってヤクルトに行けないかなと思っていた時期があったんですよ(笑)。それで実際、中日を出ることになるんですが、そのときできるならヤクルトに行きたいと球団に希望していたんですが、同じリーグには出せないということでオリックスに決まりました(2003年)。でも神宮をはじめ、横浜スタジアム、東京ドームと関東のセ・リーグの球場は狭く、そこを本拠地のチームにしていたら、シーズンで5〜10本塁打は違っていたんじゃないかな。中日の本拠地は最初は狭いナゴヤ球場でしたけど、途中から広いナゴヤドームでしたから。

 ナゴヤ球場の最後の年に本塁打王を獲ったんです(1996年)。ナゴヤドームになって、これは苦戦するだろうなと思いましたし、本塁打も確実に減るなと。ナゴヤ球場は当てればスタンドに入りましたけど、ナゴヤドームは振っても入らない。自分の打撃を変えるつもりはなかったですけど、今よりもっと振らないと入らない、もっと強いスイングをしないと入らない、そう思っているうちに本来の形が知らず知らず崩れていくんですよね。フルスイングではなくオーバースイングになってしまうというか、これはホームラン打者にはよくある話ですけど。

 でも・・・

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