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2023ドラフト特集 注目プレーヤーCLOSE UP【社会人編】

日本通運・古田島成龍、川船龍星、清水力斗 都市対抗V狙う大卒2年目トリオ

 

社会人野球選手にとって、年間最大の目標は、栄光の黒獅子旗の奪取だ。日本通運は1964年以来、2度目の都市対抗制覇を狙っている。大卒2年目の右腕3人の個性が融合すれば十分、59年ぶりの頂点も見えてくる。
取材・文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎


指名漏れで味わった感情


 社会人デビューは鮮烈だった。昨年4月8日。JABA四国大会の予選リーグ第1戦(対シティライト岡山)で先発を任されたのは大卒1年目・古田島成龍だった。6回2失点に抑えると、7回は同期入社の川船龍星が1イニングを3人で抑え、7回コールド。加入したばかりのルーキー右腕2人の継投で2022年公式戦初戦を飾った。川船は明かす。

「『成龍星コンビ』を結成したんです。2人でゲームメークするか、と」

 日本通運は同大会で優勝を遂げた。古田島は三菱重工Eastとの決勝で先発。7回無失点に抑え、2勝を挙げて、最高殊勲選手賞を受賞した。

 2人は、エリート街道を歩んできたわけではない。古田島は言う。

「自分は、田舎っぺ(苦笑)。身長も低い。それでも活躍できるということを証明して、子どもたちに夢を与えたいです」

 河内中では、部員10人だった。背番号1を着けながら、古田島のボールを受けられる捕手がいないため、自らマスクをかぶった。高校進学に際しては茨城県内の私学を見学したが、地元の県立校・取手松陽高に進学した。「自分が中心選手として、強くしていきたい」。最速146キロで注目されたが、高校2年3月に大ケガを負う。ティー打撃中のバットが右こめかみに直撃し、陥没骨折。1カ月後に復帰したものの、アクシデントを受けて首に違和感が出て、右肩まで痛みが派生した。3年夏の茨城大会は座薬を入れ、一塁手として出場し、マウンドには立てなかった。3年冬に右肩と胸郭出口症候群(血行障害)の手術を受けた。座右の銘は「逆境こそ覚醒のとき」。中央学院大では1年のリハビリを経て、2年春から登板。最速151キロで右腕・山崎凪(現JR東日本)と二本柱を形成。4年時にプロ志望届を提出も、名前は呼ばれなかった。

「指名漏れは悔しかったですが・・・

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