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第94回都市対抗野球大会展望 東京ドームで熱戦展開!!

<TEAM CLOSE UP>明治安田生命(4年ぶり7回目・東京都/東京第1代表) 「常勝」への第一歩【後編】

 

7回目の本戦出場で史上初の快挙である。激戦区・東京で第1代表。春の東京都企業大会から無傷の6連勝と、圧倒的な強さを見せた。接戦を制することが、殻を破った一因だ。
取材・文=楊順行 写真=菅原淳
【前編】はこちら

「黒獅子旗」奪取へのキーマン 三宮舜&高杉勝太郎(投手)


左から三宮舜、高杉勝太郎


盤石の先発2本柱

 東京二次予選では大事な大事な初戦に先発したのが三宮舜。第1代表決定戦進出をかけたセガサミー戦は高杉勝太郎。昨季の公式戦の投球回数でチーム1、2位の柱が、今季も健在だった。三宮は自チームが出場した2019年はもちろん、入社した16年以外は、補強選手として6回、東京ドームを経験している。「予選では大して活躍していませんが、今季は打線が頼りになり、強いという手応えがあります」。21年には東京ガスに補強されて優勝を味わっているだけに、その手応えに誤差はない。

 高杉は昨季、ルーキーながら春先から先発の一角を担った期待の右腕だ。昨季の二次予選も、最後の代表枠をかけたセガサミー戦で先発。だが、1回2失点で降板してチームも敗れ、悔し過ぎて泣いた、という。今季も、同じセガサミー戦に先発して5回1失点だから、借りを返した格好だ。「去年より余裕を持って投げられています」。152キロの快速球を、ドームの屋根に響かせたい。

PROFILE
さんのみや・しゅん●1993年5月30日生まれ。神奈川県出身。173cm75kg。左投左打。湘南クラブボーイズでは3年夏にエースで全国4強。慶應義塾高を経て、慶大では通算10勝で2016年に入社。21年には東京ガスの補強選手で都市対抗優勝を経験。

たかすぎ・しょうたろう●1999年11月6日生まれ。北海道出身。178cm79kg。右投右打。東海大札幌高から東海大に進み、4年秋にリーグ優勝。最高殊勲選手賞を獲得し、明治神宮大会4強。入社した2022年から最速152キロの本格派として主戦の一角に。


チームを支える裏方 玉熊将一&笠井皓介(アナライザー)


左から玉熊将一、笠井皓介


投打分業制の利点

 北海高2年春のセンバツではベスト8に進出し、社会人2年目の2018年にはJR東日本に補強されるほどの右腕だった玉熊将一。転向1年目は、「東京のライバルチーム、すべての打者を見て分析するので、かなり大変でした」。かたわらで聞く笠井皓介もうなずきながら、「選手のときは編集された動画、データのポイントを見るくらいでしたが、いまはすべての投手を奥深く見て、クセなども見つけなくてはならないので、とにかく時間がかかります」。ただ玉熊は笠井に打者心理、笠井は玉熊に投手心理を聞いて参考にできるのは、分業制の利点だとか。

「大会が始まるまでが自分たちの仕事。試合になればあとは祈るだけ」と口をそろえる2人。二次予選のセガサミー戦では、要注意と分析した北川智也、高島大輝を、データどおりの攻めでともに無安打に抑え、相手打線を寸断した。玉熊は言う。「自分たちの分析がチームの役に立ったときが、最大のやりがいですね」。

PROFILE
たまくま・しょういち●1994年6月17日生まれ。北海道出身。182cm82kg。右投右打。北海高2年時の2011年センバツではエースとして8強進出。法大を経て17年に明治安田生命に入社し、20年限りで現役引退し、21年からアナライザー兼コーチ。

かさい・こうすけ●1997年10月13日生まれ。東京都出身。173cm69kg。右投左打。桐蔭学園高から進んだ立大では、内野手として、2年春からリーグ戦に出場した。明治安田生命には20年に入社し、2年間の現役後22年からアナライザー兼コーチ。
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