本塁打王を意識するのはまだ早いが、期待を抱かずにはいられない。好調の要因はどこにあり、大谷翔平の何がすごいのか。セ・パで本塁打王に輝いた経験を持つ山崎武司氏に話を聞いた。
構成=牧野正　写真=Getty Images
※日付は現地時間、成績・情報は現地時間7月11日現在

衝撃だった20号

　大谷選手に関して言えば、何もここ最近に限らず、ずっと前から調子はいいんですよ。6月に本塁打を量産して月間MVPを獲得しましたから、多くのメディアが好調の理由を探りたくなるのは分かりますが、技術的に大きな変化はない。何が良くなったのかと言えば、数年前から少しずつ着実にレベルアップしているということに尽きると思います。

　2年前に46本塁打を放ちながら本塁打王は獲れなかった。昨年は34本塁打でしたから、数字だけを見れば確かに下がっていますけど、別に調子が落ちたわけではない。46本も打てば相手チームもかなり研究してきますし、攻めも厳しくなってくる。その中での34本塁打ですし、投手の成績では2年前の9勝から15勝にアップしていますから、二刀流ということを考えれば十分過ぎる成績。大谷選手のレベルは毎年、着実に上がっているわけです。

　ただ、今年の本塁打の特徴で言えば・・・