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勝負の終盤戦へ! 2023最終戦力確定

<CLOSE-UP PLAYERS>彼らへの期待値。

 

ここでは新加入選手の中から7選手をピックアップ。シーズン終盤での活躍が期待される注目の選手たちだ。

DeNA・T.バウアー 比類なき勝利への渇望


DeNA・T.バウアー[写真=高塩隆]


 これほど目に炎を宿して投げる大物外国人選手がいただろうか。日本に来る大物と言えば、キャリア晩年を過ごす選手が多い中、2020年のナ・リーグ、サイ・ヤング賞右腕は良い意味で異質だった。キャリア全盛期32歳を迎えた今年3月に電撃入団が発表されると、大きな話題を呼んだ。

 初登板は5月3日の広島戦(横浜)。7回1失点と好投し、一軍初登板初先発初勝利を挙げた。以降は、データも駆使して抑え込む理論派だけに、相手打者のデータがそろわず苦しみ、勝利から遠ざかってしまう。それでも1カ月ぶりの勝利となった6月3日の西武戦(横浜)で8回2失点と本来の姿を取り戻すと、6月は4登板すべてで勝利。しかも、同9日のオリックス戦(京セラドーム)で7回を投げると、自ら志願し、中4日で14日の日本ハム戦(横浜)のマウンドへ。期待と不安の目が向けられる中、衝撃の113球完投勝利。まさに大車輪の活躍で、6月の月間MVPに選出された。

 7月に入ってもオールスターに出場しながら、5度の先発登板で2勝をマーク。特筆すべきは、勝ちへの熱意を見せた7月1日の中日戦(横浜)だろう。6回二死一、二塁から二遊間のゴロをセカンドの牧秀悟が捕球。一塁は間に合わなかったが、飛び出した二走を追い掛けランダウンプレーに入った。しかし、ちぐはぐな連係が続き、結局オールセーフで満塁に。怒りのあまり、いわゆる“Fワード”を連発しながら右腕が吠えた。矛先はミスをした内野手だけではない。「優勝するチームの野球が、あのイニングはできなかった」チーム状況と自分自身に――だ。勝利へ妥協しない姿勢とプレーヤーとして上を目指し続ける向上心は、チームにも波及し好影響をもたらしている。

 グラウンド内外で話題に事欠かないが、その本質は間違いなく真摯(しんし)で愚直な野球人。中4日登板も、9回ゼロ封で延長10回のマウンドに立つのも、チームに“勝利”を与えるための“手段”でしかない。終盤戦になればなるほどバウアーのこだわりの価値は高まっていく。

日本ハム・郡司裕也 北の大地で覚醒間近


 北の大地で覚醒の予感を漂わせている。6月中旬に齋藤綱記宇佐見真吾との2対2のトレードで山本拓実とともに入団した郡司裕也は、同30日に一軍へ昇格すると・・・

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