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球場を彩るチアの世界 広がりゆくベースボールエンターテインメント

華やかさの裏にあるもの 知られざる東京六大学野球『チア』の世界

 

特集の最後は、アマチュア野球界に舞台を移そう。春秋と神宮球場でリーグ戦が行われる東京六大学野球。選手たちの背中を押すのは、応援団(部)の存在だ。では、その中で『チア』はどんな日々を過ごしているのか。立教大学体育会応援団に協力いただき、その活動に迫った。
取材・文=上原伸一

新型コロナ禍を経て、今春のリーグ戦から応援席が復活。『スタンツ』も披露された[写真=BBM]


時にはハシゴも


 1925年に始まった東京六大学リーグ戦。春と秋に行われる熱き戦いにはお馴なじ染みの光景がある。各校の応援団(応援部)による洗練された応援だ。応援を楽しみに神宮球場に足を運ぶファンも多い。この応援にきらびやかな彩りを加えているのがチアリーダーだ。6校すべてにチアリーディング部(バトン部)が誕生したのは75年ごろとされる。

 華やかな印象しかない東京六大学のチアだが、その裏側はあまり知られていない。実際は地道なトレーニングの積み重ねがあり、応援の日程もハードだという。彼女たちはどんな日々を送っているのか? 立教大学体育会応援団・チアリーディング部の活動を通して迫ってみよう。

 東京六大学の応援団は基本的に3つの部で構成されている。立大応援団のチアリーディング部も「学ラン」姿で声をからすリーダー部と、心湧き立つ音色で盛り上げる吹奏楽部とともに活動している。

 部員数は4学年合わせて55人。東京六大学のなかでは多いほうだという。チアリーディング部長の川上莉歩(4年)は小学4年から9年間、バトントワリングを経験し、高校ではダンス部にも所属していた。ただこういった「経験者」は半数ほど。初心者歓迎のスタンスを取っており、未経験者も半分を占める。高校では運動と無縁だった部員もいる。部のモットーは「(経験や技量に関係なく)全員で踊る」。未経験者の1年部員も、入部間もない春のリーグ戦の最終戦で“神宮デビュー”を果たす。「1年生全員で「第一応援歌」を踊るのが部の風習です」(川上)。

 試合開始3時間前に神宮に集合し・・・

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