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シン・カープ第一章 僕らはまだまだ強くなる。

【HUMANS CLOSE-UP】矢崎拓也&島内颯太郎 リリーフを強みにした2人の立役者

 

開幕当初、守護神・栗林良吏の離脱はチームに衝撃を与えた。しかし、ピンチは時としてプラスに転じる。指揮官の柔軟な起用と、それに応えたリリーフ陣。特に、中心となって“投壊”を防ぎ、“奮投”を続けてきた2人。彼らの背中は今季、さらに頼もしくなった。
写真=BBM ※成績など情報は8月27日現在

矢崎拓也「その場の一瞬に、ベストを尽くす」


[2023投手成績]試42、4勝2敗6H22S、39回1/3振30防2.75


いろいろな経験を経て

 思い描いていたシーズンとは違うスタートになったことは確かだ。昨季、キャリアハイを大きく更新する47試合に登板し、セットアッパーとしての地位を築きつつあった矢崎拓也。今季はその地位をしっかりと手中に収めるはずだった。しかし、春季キャンプ中に左脇腹を痛めて(左内腹斜筋の筋挫傷)、開幕に間に合わず。一軍に合流したのは4月下旬のことだった。

 5月に入り、再びの“想定外”が右腕を待っていた。抑えの栗林良吏が右内転筋筋挫傷で離脱。代わって9回を担うことになったのだ。「チームに復帰して、自分が9回をやることになるとは思ってもいなかった」。

 ただ、「1日1日は、その日しかないので」。巡り合わせでやってきた抑えというポジションへのとらえ方は、前向きだった。「すごくいろいろな経験をさせてもらっているなと思いますね」。

 セットアッパー経験者でも9回のマウンドとなると、独特の雰囲気や違いを感じる選手は多い。矢崎も「(9回に)特別な思いはあまりない」としながら、「割とはっきり雰囲気的にも違いはあります。何なんでしょうね、球場の雰囲気とか?」。試合の状況などによっても変わるその雰囲気。それでも、「『今日はこんな感じなんだ』ぐらいで状況を受け入れて、最後は楽しめたらいいなと思っています」とは、さすがの考え方だ。

 マウンドでの右腕は、どんなときも冷静沈着に映る。ピンチの場面に、「思うことはたくさんあるんですけど……」としながら、こう続ける。

「だからといって自分の実力が急に上がるわけではない。ピンチで急に160キロを投げられるわけではないので。自分が持っているもので戦うしかないんですよ。やることをやって、あとは・・・

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