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シン・カープ第一章 僕らはまだまだ強くなる。

【HUMANS CLOSE-UP】下馬評を覆した実績と経験

 

躍進の陰に〇〇あり! 〇〇に入る言葉を考えたとき、ベテラン野手勢の名前を外すことはできないだろう。一つひとつのプレーで、あらためて感じる一人ひとりが果たす役割の大きさ。まだまだ頼もしい彼らは、新井カープを象徴する。
写真=BBM ※成績など情報は8月27日現在

田中広輔[2023打撃成績]試88率.229安43本6点27盗2


危機的状況を救って

「お前、もう終わっていくの? えっ? もう、それで終わり? はい上がってこいよ」――。新井貴浩監督が開幕前、今季34歳のシーズンを迎えた田中広輔に向けた言葉だ。2016〜18年のリーグ3連覇をリードオフマンとして支えた男は、開幕直後の4月9日の本拠地・巨人戦(マツダ広島)で21年9月2日のDeNA戦(横浜)以来、584日ぶり今季1号を放った。そして、その1週間後、同16日のヤクルト戦(マツダ広島)では一時5点差をつけられた中で逆転勝利を呼ぶ同点満塁本塁打。19年の右膝半月板手術を境に低迷し、昨季はプロ入り最少の41試合で8安打に終わったものの、今季は開幕から一度も一軍を離れることなく、指揮官の発奮に応えている。

 新井監督は、古巣に復帰して2年目でリーグ優勝の立役者となった16年にセ・リーグ最年長記録を更新する39歳でMVPを獲得した。当時の自身を考えると、かつてのチームメートでいまやベテランとなった田中をはじめとする“後輩たち”は、まだまだ若い。チームの再建を託された新人監督は「勝利と育成の両立」を目指す。

「若い連中にチャンスを与えてチームを活性化していきたいけど、若い連中だけじゃ勝てない。長いシーズンを戦っていく上で、実績も経験もある中堅、ベテランの力は絶対に必要」

 その言葉どおりに30代の選手が・・・

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