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2023オリックス 頂点へ、もう一度

オリックス・中嶋聡監督 常勝構築の土壌 フレッシュさが生み出す“不可欠なエネルギー”

 

見事なまでに体現されている。「全員が戦力」と言い続けてきた中嶋聡監督は言葉どおり巧みな選手起用で戦力をフル活用。頂点に立つために、そして常勝構築に“不可欠なエネルギー”を生み出しているのは、個の力を最大限に発揮できる“フレッシュさ”に尽きる。
文=喜瀬雅則 写真=BBM
※成績は9月3日時点。年齢は2023年の満年齢、プロ年数は育成期間も含む

オリックス・中嶋聡[監督就任3年目/54歳] 長丁場のシーズンで堅調な戦いを見せるのは、指揮官の巧みな選手起用が根底にある


巧みな先発ローテーション


 一昨年の2021年に25年ぶりのリーグ優勝、昨季は26年ぶりの日本一、今季は前身の阪急が1975年(昭和50年)からリーグ4連覇して以来となる、3年連続でのリーグ制覇という大偉業に向かって独走中のオリックスは、いわば二項対立ともいえる「育成」と「勝利」を、見事なまでに両立しているとも言える。

 まず、今季の快進撃を支える原動力とも言えるのが、質量ともに豊富な投手陣だろう。今季開幕直後の先発ローテーションを担った投手の平均年齢を12球団で比較して見ると、オリックスと巨人がともに25.3歳でトップ。さらに開幕投手が二度目の登板を果たすまでを「一回り」として開幕ローテを担った人数を見れば、4球団が5人、7球団が6人という中で、オリックスは9人を数える。

 “量の充実”による副産物とも言えるのが、先発陣の「ローテ間隔」に見える「ゆとり」だろう。9月3日、今季118試合終了時点で、オリックスの先発を担ったのは16人で、山本由伸宮城大弥山崎福也の3投手は、そろって19試合に先発。山崎福が中5日で5回投げているが、山本と宮城はまるでシンクロしているかのごとく、中6日で10度ずつ先発。山下舜平大は・・・

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