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2023年ドラフト目玉 「東都7人衆」の素顔

常廣羽也斗(青学大・投手)&下村海翔(青学大・投手) 155キロ右腕コンビの可能性

 

青学大は今年6月の全日本大学選手権で18年ぶりの優勝。先発の両輪として名門復活へと導いたのが、155キロ右腕コンビだ。対照的な野球人生を歩んできた2人は、ドラフトにおいて話題の中心である。1位候補に挙がる東都大学野球連盟に加盟する7投手を掲載する。
取材・文=岡本朋祐

常廣はスポーツ推薦ではなく、指定校推薦で大分の県立進学校・大分舞鶴高から進学。地道な努力でドラフト1位候補にまで上り詰めた[写真=矢野寿明]


 青学大から直接、ドラフト指名を受けたのは2015年の吉田正尚(オリックス1位、現レッドソックス)が最後。8年ぶりに「運命の日」は話題の中心となりそうだ。

 広島は10月13日のスカウト会議で155キロ右腕・常廣羽也斗を1位指名することを明らかにした。昨年はドラフト前日までに9球団が1位入札する選手を公表したが、今年は12球団初だ。担当で青学大OBの高山健一スカウトは言う。

「ボールのキレは、即戦力に近い。フォークは一軍でも通用するレベルにある」

 神宮球場のネット裏で2年春から視察してきた46年のベテラン・苑田聡彦スカウト統括部長も太鼓判を押す超逸材だ。

「一番の評価です。チームの柱になるピッチャー。毎年、コンスタントに10〜15勝は勝てるのではないかと思います。ストレートはズドン! ではなく、グーン! とくる。フォークは2種類。追い込んでから勝負するフォークと、カウントを整えるフォークがあるのは強みです。しかもコントロールができる。かつて、私は専大・黒田博樹(元広島、ヤンキースほか)を担当させていただきましたが、タイプとしては近い部分がある。世界で活躍した黒田のほうが上ですけどね(苦笑)」

 常廣の生命線は、アウトローの真っすぐだ。右打者から見て、最も遠いコースにビシバシと決まる。さらに、対左打者には、内角をえぐることができる。

 事実上「1位評価」を決めたのは17年ぶりに出場した6月の全日本大学選手権だった。中部学院大との準々決勝で先発して6回無失点に抑えると、明大との決勝(6月11日)では10奪三振で完封(4対0)し、18年ぶり5度目の日本一へと導いた。15イニング無失点(防御率0.00)で、最高殊勲選手賞と最優秀投手賞を受賞した。

指定校推薦で入学の勉強家


 青学大のスポーツ推薦枠は毎年8人の少数精鋭で・・・

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