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2023ドラフト HUMAN STORY

道崎亮太(中京大・投手)準硬式からNPBへ挑戦「少しでも可能性があるのならば、プロのステージで活躍したい」

 

全日本大学準硬式野球連盟のホームページに9月13日、147キロ右腕が公示された。愛知・東邦高時代は、3年春のセンバツで優勝を経験。中京大では準硬式に転向し、4年間で成長を遂げた。再び硬式球に握り替え、ドラフト指名を待っている。
取材・文=岡本朋祐 写真=BBM

右手には硬式球、左手には準硬式球を握る。高校3年以来となる硬式野球への再転向だが、違和感なく順応できている


 1954年創部の中京大準硬式野球部の朝は早い。豊田キャンパス内の専用球場は硬式野球部と共用のため、5時45分までには集合し、6時から10時まで週5、6日、活動している。2005年10月から母校を指揮する中野将監督は全日本選手権で優勝2度、今春までに東海地区で優勝27度へと導いた。地元の豊田市役所に勤務しており、6時30分前には職場へと向かう。「日本一にならないと、評価されない」と、部員たちには自立を求めている。

 自主性を重んじる雰囲気が、道崎亮太には合っていた。すでに卒業単位をほぼ取得しており、自分に使える時間が多い。8月の全日本選手権で4年生は現役を引退も、道崎は「プロ入り」という明確な目標があった。全体練習後はしばらく休息し、その後はウエート・トレーニングで汗を流す。夕方からは飲食店で週4回のバイト。寮生活をしており、両親の負担を軽減するため、スマホの使用料金、移動に欠かせない自動車の保険は自らで支払っている。夕食は賄いが出るが、朝、昼は自身で調理。野菜や鶏肉など、栄養バランスの取れた食生活を心がけている。

学生主体の運営に魅力


 東邦高では3年春のセンバツ甲子園で控え投手(背番号17)として、30年ぶりの優勝に貢献。広陵高との2回戦では大量リード(12対2)の9回裏に救援して、試合を締めた。「登板前まではフワフワしていましたが、マウンドに上がったら落ち着いて投げられた。良い経験ができた」。主将、エースで三番は石川昂弥(現中日)。

「大きな存在。練習から投球フォームまで、すべて参考にしていました。プロでの活躍は、励みになります」

 139キロ右腕は高校卒業後、大学では硬式野球を続けるつもりだったが、森田泰弘監督(当時)から中京大準硬式野球部を勧められた。

「中野(中野将)監督から説明を受け、学生主体の運営に魅力を感じました。すべては自分次第で、成長できる環境がある。日本一を目指す集団であることにも共感しました」

 負けず嫌いの性格である。誰よりも必死になって、レベルアップに努めた。中学時代は軟式だったが、準硬式球になじむのは時間を要した。1年秋には四球を連発するなど制球難に悩んだが、冬場は気の遠くなるようなネットスローで指先の感触と・・・

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