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DeNA鍛錬の秋 個を磨き、結束の春へ

DeNA・松尾汐恩インタビュー 対自分に重きを置いて「相手を気にしていたら自分の100%は出せない。結局は自分がやるだけ」

 

期待の高卒捕手として、プロ1年目を終えたドラフト1位ルーキー。打撃ではイースタン・リーグ5位の打率.277、同3位の安打数をマークし存在感を示した。“自分自身のレベルアップ”という明確な意志で迎える初めてのオフ。秋に見せる追い込みは、一軍戦力として名乗りを挙げるための布石となる。
取材・構成=武石来人 写真=桜井ひとし、田中慎一郎

松尾汐恩[DeNA/捕手/1年目]


学びと成長の1年目


 今まで経験したことのない試合数をこなした1シーズン目。9月にはイースタン・リーグ史上12人目のサイクルヒットを放つなど手応えを得た一方、守備面での課題も見えた。数字に表れない部分も含め、まだまだ成長途上。それでも放つ雰囲気には期待をせずにはいられない。

──プロ1年目のシーズンが終了しましたが、身体的な疲れなどはいかがですか。

松尾 やはり、今までにはない経験が多くて疲れがたまった部分はありました。ファームで100試合以上ある中、後半は身体的にもつらかったんですが、試合を重ねていくうちに、自分がたくさんの人に応援していただいて好きな野球ができているのだと感じることが増えていきました。きつかったですけど、それ以上に自分の中でのやりがいというものを感じられたシーズンでした。

──初めての契約更改後、「成長した部分があって実りのある1年だった」と話していました。成長を感じていたのはどの部分でしょう。

松尾 環境への慣れやチームの雰囲気になじんでいくことが大きな部分でした。技術面でも捕手として自分がうまくなるために必要なことを、鶴岡(鶴岡一成ファームバッテリー)コーチと一緒に着々とつぶしてこられたと思います。

──表情を見ると、手応えもありそうですね。

松尾 そうですね。正直、力も全然ないですし、まだまだやらないといけないことが山積みですけど、その中でも成長できた部分が多くありますから。

──1年目から春季キャンプでA班に帯同しました。いきなり一軍選手の多い環境で戸惑うことはありませんでしたか。

松尾 本当にいい環境の中でやりやすい空気もつくっていただいて、自分のやることに集中させてもらえました。今になってキャンプを振り返ると、見て学べることがたくさんあったなと感じます。先輩方のバッティングをはじめとした練習への取り組み方や、声の掛け方、立ち振る舞いといった技術面以外の部分での動きや言葉がすごく勉強になりました。

──那覇で行われた巨人とのオープン戦では守備での出場もありました。一軍投手のボールから得たものとは。

松尾 ボールの強さではファームの投手も同様に強いんですけど、より重みがあるボールというか。加えて、コントロールの良さは非常に感じられて大きな経験になりました。

──さらに、イースタン・リーグ開幕後の4月28日のロッテ戦(横須賀)では、先発投手としてトレバー・バウアー投手、リリーフで平田真吾投手、濱口遥大投手、田中健二朗投手と錚々(そうそう)たる投手陣とバッテリーを組みました。

松尾 皆さん素晴らしいピッチャーなので、無我夢中でいかないと学びも得られませんし、自分が良さをどう引き出すかということを考え続けながらの試合でした。ピッチャーの投げるボールが素晴らしければ素晴らしいほど、打たれた場合に自分の責任が大きいのは間違いないですし・・・

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