週刊ベースボールONLINE

2023-24ストーブリーグ戦力往来

<インタビュー>北の大地を翔ける・山崎福也(オリックス→日本ハム) さらなる成長のために「もっと成長したいと思っている自分がいる。そのことをピンポイントで言ってもらえたのは大きかった」

 

ストーブリーグ、FA戦線の最大の目玉――。特集のスタートは6球団による大争奪戦の末、北の大地に新天地を求めた左腕の言葉からお届けしよう。FA権を手にしたという事実を自信に変え、日本ハムで「選手として完成する」ことを誓う。
取材・構成=杉浦多夢 写真=矢野寿明、BBM


成長の余地


 11勝をはじめとするキャリアハイの成績を残してリーグ3連覇に貢献した先発左腕がFA宣言をしたとなれば、大争奪戦に至るのは必然だった。愛着のある球団を飛び出し、北の大地での新たなチャレンジを決断したのは、「まだまだ伸びる。チームと一緒に、選手として完成していく」という思いが一致したから。31歳で迎えたプロ野球人生最大の転機を、さらなる成長のきっかけとする。

──12月6日に入団会見を行いました。日本ハムの一員になるという実感は湧いてきましたか。

山崎 入団会見でエスコンフィールドの施設もいろいろ見せていただき、契約もして。そして今日(取材は12月中旬)は鎌ケ谷にも来させていただいて。少しずつ実感は湧いてきているんですけど、まだ完全に、ではないですね。やっぱりユニフォームを着て、いろいろやっていく中でファイターズの一員になったという実感が湧いていくんだと思います。

──入団会見ではユニフォームにも袖を通し、似合っているように感じました。

山崎 ファイターズブルーの青の感じがすごく良かったですね。これからもいい感じでユニフォームを着ることができそうです(笑)。

──あらためて日本ハムへの移籍を決断した理由を聞かせてください。

山崎 父(山崎章弘氏、元日本ハムほか)が在籍していたという縁もありますし、北海道は僕自身、中学3年で脳腫瘍の手術をして命を救ってもらった場所でもあります。2022年オフにオリックスから移籍した寅威(伏見寅威)さんもいますし、尊敬している金子さん(金子千尋、ファーム投手コーチ)もいる。たくさんの縁があります。ただ、本当の最後の決定打というか、グサッと来たのは、吉村さん(吉村浩、チーム統括本部長)に「このチームと一緒に、僕(山崎)という選手を完成させていこう。まだまだ伸びるから、完成されていない投手だから」と言ってもらえたこと。本当にうれしかったです。

──23年はキャリアハイと言える成績でしたが、自分でもまだ完成されていない、成長の余地がある、と。

山崎 まだまだ満足していませんし、野球人生の中でもっと成長したいと思っている自分がいるので。そのことをピンポイントで言ってもらえた、というのは大きかったですね。

──23年の成績がFA宣言をするという決断のきっかけになったのでしょうか。

山崎 一つの大きな自信にはなりました。それもあって、ほかの球団の自分に対する評価を聞いてみたいなと思いましたし、FA宣言をしたいなという気持ちになりました。

──自ら決断したこととはいえ、9年間を過ごしたオリックスを離れる寂しさもあったのでは。

山崎 もちろん、その気持ちもありますし・・・

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