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巨大戦力で世界一へ Enjoy the Dodgers

ドジャース・山本由伸 海を渡り世界のエースへ「やってきたことの延長というか、 大きく変えた感じはないんです」

 

3年連続投手4冠&沢村賞──。NPB最強右腕の称号を手にし、目標のスタートラインに立った。寄せられる期待は12年総額3億2500万ドルの長期かつ巨額の契約が物語る。重圧も力に変える心を持つ右腕は、世界最高峰の舞台でどんな投球を見せてくれるのか。胸を高鳴らせるのは、将来を見続けてきた右腕だからこそだ。投じるボールに好奇心と野望がつまっている。
写真=Getty Images

現地時間12月27日に入団会見を開き、珍しく緊張感を漂わせつつも笑顔がはじけた


指標は数字にあらず


 目に焼き付いた光景が目標に変わった。2017年10月。プロ1年目を終えたばかりの19歳の右腕は、プレーオフを観戦するためドジャー・スタジアムに足を運ぶ。視線の先には当時、所属していた前田健太(現タイガース)があった。

「そのときからメジャーへの思いはすごく強くなったと思います」

 それから6年──。現地時間、昨年12月27日、山本由伸は当時の前田と同じ背番号18のドジャーブルーのユニフォームを身にまとって当時を振り返る。

“思い”が芽生えた17年オフが投手としてのターニングポイントとなったのは、LAの地で受けた刺激だけではない。同年に一軍デビューを果たしてプロ初勝利を挙げた右腕だが、「1試合を投げたら肘がパンパンに張って。このままではダメだなって。全部を変える必要があった」と不安のほうが大きかったという。着手したのがフォームの変更だ。17年のオフから翌18年の春季キャンプで左手を捕手方向に大きく伸ばす形に改良したのは「1つの筋肉で100の力を出すんじゃなくて、全身の力を使って100を出す」という意識の表れ。ただ、賛同する人ばかりではなく、ブルペンでコーチと話し込む姿も多かった。今でこそ「いろんな人に反対されて」と明かすも、当時はフォームに水を向けると口数は少なかった中で・・・

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