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続・黄金期へ オリックス4連覇の鼓動

オリックス・下地からの“リボーン” 進化と変化の根幹 「このチーム、3年で勝てるチャンスがあると思います」(中垣征一郎・巡回ヘッドコーチ)

 

結果がすべての世界とはいえ、3連覇までの過程は度外視できない。低迷期を打破して黄金期を築くチームは、一体何が変わったのか──。今なお続くチーム体制が、オリックスのリボーンの根幹にある。
文=石田雄太(スポーツライター) 写真=佐藤真一

キャンプ地・SOKKENスタジアムでも、3年連続でリーグチャンピオンのフラッグがなびいた


始まりは5年前


 この春も宮崎の清武にはたくさんの野球好きが詰めかけた。バファローズがここでキャンプを行うようになって10年──2015年から24年までの数字がオシャレにデザインされた宮崎キャンプオリジナルのキャップをかぶって、SOKKENスタジアムの前に立った。振り返ると、目の前に第2野球場がある。ふと思い出したのは4年前、2020年の春のことだった。

 バファローズのキャンプは一軍も二軍も同じ清武で行っている。SOKKENスタジアムが一軍のメイングラウンドで、そのすぐ隣の第2野球場が二軍のメイングラウンドだ。その距離、徒歩1分。まるで急坂の如く、近くて遠い一軍と二軍との距離は当然、一軍に向かって上り坂、二軍に向かって下り坂になっているはずだ。しかし4年前の2020年、坂の下にいるはずの若い二軍選手たちはSOKKENスタジアムの一軍を仰ぎ見ようとはしていなかった。それはその前年に最下位に沈んだ当時の一軍の風通しがよくなかったこと、逆に二軍の空気が一新されていたことが理由となっていた。

 20年、清武キャンプのとある1日のことだ。おそらく午前10時を過ぎたころだったと思う。第2野球場で二軍の選手たちがアップもそこそこに実践的なメニューの練習を始めていた。そのとき、SOKKENスタジアムから一軍の選手たちがアップをする掛け声が聞こえてくる。

「向こう、・・・

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