週刊ベースボールONLINE

平成×令和 捕手たちの辿る軌跡

DeNA・山本祐大インタビュー 積み上げたものが信頼に「最終的に目指すのは143試合を走り切った先にある優勝キャッチャー」

 

入団7年目の25歳にして、今や捕手王国とも言えるほど充実したDeNA捕手陣の中で確固たる居場所を確保している。昨年、東克樹とのバッテリーで活躍し、東が口にしたことで浸透した「祐大のおかげ」は、投手陣からの信頼の証し。積み上げてきたものが一つとなり、今、花開こうとしている。
取材・構成=武石来人 写真=BBM、幡原裕治(インタビュー)


バッテリーで堂々と


 過去には失敗もあれば、嫌いになったこともある。それでも一人センター方向を向き、度々笑顔と真剣な表情を垣間見せる。勝利のための取り組みはバッテリーで行うものだから。グラウンドで見せる自然体には意味がある。すべては投手に気持ちよく投げてもらいたい一心で。

──試合に出場する上で、山本選手が好きなのは守備と打撃のどちらですか。

山本 両方に面白さがあって、本当に両方とも楽しいですね。

──捕手を始められたのはいつごろからでしょうか。

山本 中学校時代にチームの捕手がいなくなっちゃって。誰かやらないかとなったことがきっかけでした。

──当時から捕手は楽しかったのですか。

山本 いえ、そのときは正直、捕手が嫌いで(笑)。痛いですし、打たれたら怒られます。なんで捕手ってこんな理不尽なポジションなんだというのが、一番初めの率直な感想でしたね。

──それが今では守備も楽しくなっている。いつごろ変化があったのでしょう。

山本 高校に進んでから野球全体のレベルが上がり、投手のレベルも打者のレベルも上がっていきます。中学生のときってどうしても投手が良ければ抑えられるという感覚だったんですけど、捕手も良くないと抑えられないことってあるんだというのを感じる場面が増えて好きになりましたね。そこからはどんどんのめり込んでいきました。

──自分の捕手としての力で投手の力を引き出す経験を得たのですね。

山本 助けとか力という部分は自分では言えないですけど、捕手としてやるべきことはやっぱりあります。例えば、どんな試合でもターニングポイントになる部分を抑える必要があると思います。その行動や意図に、投手が気づいているか気づいていないかは関係ありません。それがうまくできたなという試合があって、すごくやりがいを感じましたね。

──では、何か特別な試合やプレーで好きになったわけではないのですね。

山本 そうですね。分かりやすいのは打者の反応を見ての配球とか、投手とのコミュニケーションとか、やりたいことがやれた瞬間を感じられたことが好きになった要因だと思います。

──捕手としてプレー面で最優先しているのはどのような部分でしょうか。

山本 やっぱり捕手って1人だけ違う方向を向いているので、皆から見られているポジションなんです。そして・・・

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