残り試合は決して“消化試合”ではない。Bクラスに甘んじるセ・パ下位4球団も、明確な意識を持っての9月が来季につながる。逆襲へ虎視眈々──。新たな形を模索する戦いを見る。 ※成績、情報は9月22日時点 オリックス・野手底上げへの布石
もがき、苦しむ。昨季までリーグ3連覇の“前年王者”が、今季は開幕から打線が低調。昨季の首位打者・
頓宮裕真が打率1割台と不振に加え、主軸の
森友哉も二度の故障離脱と中軸打者の不振と故障が相次ぎ、9月22日にCS進出の可能性が完全消滅した。9月10日から21日まで83イニング適時打なしと、深刻な貧打に
中嶋聡監督も「プロなので。結果しかないんでね」と頭を抱える。
苦しい時期は、チームが進化するチャンスでもある。3連覇中は若手投手が続々と台頭する一方、野手は遊撃に定着した
紅林弘太郎の飛躍と数えるほど。その紅林も含めた主力の低調で、予期せぬ形で野手の底上げの必要性に焦点が当たる形となったが、現場も承知の上なのは起用法を見ても明らかだ。そもそも今季は5月に高卒ドライチの
横山聖哉を一軍に抜擢し、一度抹消も8月末に再昇格。本職の遊撃ではなく三塁起用で経験を積ませ、高卒4年目の
来田涼斗も5月に昇格させてスタメン起用と、昨年までと同様に“勝利”と“育成”の同時遂行を中嶋監督は推し進めてきた。7月からは昨季途中に支配下登録された25歳・
大里昂生を一番起用で打線に刺激を与えたのも、その一つだ。
■オリックスの主な若手起用位置 それでも結果がついてこない。ドライチ・横山は12試合出場で6安打、来田は持ち前の豪快なスイングに加えて軽打で34安打を放つなど成長を示すものの・・・
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