新しいスタートラインに立った123人の選手たち。奮い立つ第一歩だ。その中で最高評価となった選ばれしドライチ12人をクローズアップ。 取材・文・写真=服部健太郎 充実したトレーニング施設がそろう球団で、土台をしっかり築いてから大きく羽ばたくことを誓う
体幹を強化してフォーム再現性向上
ソフトバンクからの1位指名。テレビ中継で名前が伝えられた瞬間、会心の笑顔を見せた17歳の逸材右腕は、数秒後に両手で顔を覆い、号泣。涙の理由を次のように明かした。
「自分は投手としてゼロからのスタートだった。うまくいかないことのほうが多く、なかなか思うような結果も出なかった。そんなしんどかった時期がよみがえりました。そのツラい時期を乗り越え、こんな素晴らしい順位でソフトバンクに評価していただけた。うれしい気持ちでいっぱいです」
全12球団の調査書をそろえて運命の日を迎えた。岡本博公監督は「上位指名の期待はありましたが、まさかの1位指名。鳥肌が立ちました」と喜びを語った。中学時代に所属した大阪箕面ボーイズでは、捕手がメインポジション。本格的に投手を始めたのは高校入学後だ。岡本監督が回想する。
「本人が『高校では投手をやりたい』と言ったので、『おう、やったらええやん!』と快諾しました。腕の振りが鋭く、肩が強いのでスピードは投手転向後すぐに134、5キロは出ていましたが、制球力は乏しく、ただ力任せに投げてるだけ。練習試合で投げても5回で100球くらいを要してしまう。ただ、あまりコントロールのことを指摘し過ぎると萎縮してしまうと思い、まずは強い球を投げさせることを優先しました」
球速は1年秋に140キロを突破し・・・
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