日本シリーズの戦いが昨年の11月3日に幕を閉じ、同5日からFA権の有資格者たちによる権利行使の申請がスタート。同15日からFA権の行使者、自由契約選手との交渉が解禁となり、ストーブリーグが幕を開けた。球界の勢力図に影響するであろう、主な移籍動向を振り返る。 写真=BBM
※情報は1月5日現在。年齢は2025年の満年齢。文中の年俸は推定金額 FA戦線の“妙”
FA権の行使者、自由契約選手との交渉が解禁となった昨年の11月15日、早速、
巨人が
DeNAを自由契約となっていた
石川達也の獲得を発表するなど、ストーブリーグが本格化した。軸となったのは当然、FA戦線だ。
阪神の
大山悠輔の獲得に巨人が乗り出し、前代未聞のTG争奪戦の末に残留を決めたことが大きな話題となったが、最初にFA移籍が決まったのは
茂木栄五郎だった。
楽天では新人年の2016年から遊撃の定位置を獲得し、20年からは主将を務めた男も、近年は若手の台頭やFA加入選手の活躍もあって出場機会が減少。新天地で勝負することを決めると、
ヤクルトが12月5日に獲得を発表した。
球団として国内FA権を行使した選手の獲得は10年ぶりで、25年に33歳となる二塁・
山田哲人は不振が続き、三塁・
村上宗隆も25年オフにMLB挑戦を控えている中で、内野陣の底上げがいかに重要課題だったかが伺える。本職は遊撃ながら内野全ポジションをこなすユーティリティーは打ってつけの存在で、茂木自身も「もちろんレギュラーを獲りにいく」と語りながら、「幅広い分野で、求められたところで活躍できる選手になりたい」と意気込みを口にしている。
FA戦線で最大の目玉となったのはソフトバンクで権利を行使した石川柊太だ。育成から成り上がって20年には最多勝に輝き、23年にはノーヒットノーランも達成した右腕は、人的補償が不要となるCランクということもあり、巨人、ヤクルト、
オリックス、ロッテ、そして宣言残留を認めていたソフトバンクという5球団による大争奪戦に発展。最後に制したのはロッテだった。
ただ、契約は3年総額6億円で、それ以上の大型契約を提示した球団もあり、金額がすべてではなかった。
吉井理人監督も出席した交渉において、石川柊も「吉井監督の『FA権を獲ると分かった上でシーズン中から見ていた』という言葉が響いた。現場とフロントとの一体感が伝わったのが大きかった」と移籍の決め手を振り返る。ロッテとしても
佐々木朗希がポスティング制度でMLB移籍を模索しており、メルセデスやカイケルも退団濃厚。先発ローテーションの強化は必須事項だっただけに、吉井監督が着用していた背番号『21』を譲って『81』に変更するのは大きな期待の表れだ。
“目玉”が動けば“次”も動く。石川柊のロッテ入りが決まった翌日の12月12日・・・
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