常勝チームには必ず「名捕手」がいる。しかし、正捕手として独り立ちするには、相当な育成期間と実戦経験が必要だ。FA制度導入以降、実績のあるキャッチャーが他球団へ移籍した。新たな頭脳が加わることは最大の補強だが、すべてがうまくいったわけではない。歴代のFA捕手を振り返っていく。 FAで抜けた穴はFAで補強

ゴールデン・グラブ6度のうち、5度は中日時代に獲得した谷繁
FA制度は1993年オフに導入された。2024年までにFAを利用して移籍した捕手は21人。最も恩恵を受けたのは中日だろう。02年に
谷繁元信が横浜から加入すると、前年借金12で5位だったチームを、貯金3の3位へとAクラス入りに貢献。中日の「守り勝つ野球」の象徴として、04年から11年までリーグ優勝4度、日本一1度と中日の黄金時代を築いた。この間に5度のゴールデン・グラブ賞を獲得。最終的な在籍期間は14年と横浜よりも1年長く、捕手での通算出場数は、2963で歴代1位。FAをきっかけに充実の現役生活を過ごした。中日、谷繁にとってもFAが好転への大きなターニングポイントとなったのだ。
一方、横浜にとって谷繁が抜けたことは、低迷を招くきっかけとなった。02年は借金37の最下位と、前年の貯金2の3位から大きく転落。谷繁が引退するまでの14年間で・・・
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