先人の声は偉大なり。技術の進化と同時にグラブも進化を遂げてきた。堅守につながるグラブのノウハウ。現在のゴールデン・グラブ賞であるダイヤモンドグラブ賞の受賞歴のあるレジェンドたちの考えとこだわりが、令和の時代のグラブにもつながっている。 【DG賞】=ダイヤモンドグラブ賞受賞歴あり 山田久志(元阪急) 投ゴロをはじかぬよう

山田久志[投手/元阪急/1969-88]【DG賞】
ボールが出る位置とか、手首が隠れる位置とかでクセが出てしまうんですよ。だからグラブは大きめ。あとはゴロをはじかないように小指を硬くしていましたね。柔らかいと、打球に負けることがあって、内野安打になるかセンターに抜けていってしまうから。ピッチャーゴロは速いし、バウンドも難しいことが多い。キャンプでも投球練習後にずっとノックを受けていて、感覚を養ったもんですよ。ピッチャーゴロは打球が速いから見えないし、感覚でグラブを出すしかないんだから。
大きく、小指を硬くしていたんだけど、1つのグラブを使い続けると、どうしても柔らかくなる。だから年間で使うグラブは3つ。ただ、3つを同時に使い分けていたのではなく『開幕から夏』『夏から秋』『日本シリーズ』と時期に応じて。夏は暑くてバテる時期だから軽いグラブにしたり、日本シリーズはクセを研究されるから、新しいグラブを使ってね。ミズノさんには、いろいろ要望を聞いてもらって、今でも本当に感謝しています。
福本豊(元阪急) 球際なんて関係ない!
とにかく軽いグラブを求めていた。もう、こだわりはそれだけよ。新しいグラブのときは、とにかく打撃マシンのボールを数多く受けて、柔らかくして捕りやすいようにしてね。メーカーの人が網(ウエブ)が細かいヤツとか、いろいろな網を提案してくれて、『出来ました!』と持ってくるんだけど、正直そんなのは気にしとらんかったわ(笑)。だから、シーズンによって網は違った。軽くて捕りやすければ良い。ホンマそれだけ。
俺らの時代(1970年代)から外野手が(指先が)長いグラブを使い始めてね。俺も1センチくらい伸ばしたのを使ってみたことはあったんだけど・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン