努力に努力を重ねて、センスを開花させてきた。育成から支配下登録2年目の昨季は、内外野6ポジションを守って80試合に出場。今季、プロ5年目にして一番・中堅で初の開幕スタメン入り。アクシデントを押しても試合に出続ける姿勢に、指揮官も「カープの伝統的なスタイルに合っている」と一目置いた。攻守にガッツあふれる姿は、頂点を狙うチームに不可欠だ。 取材・構成=相原礼以奈 写真=井沢雄一郎、牛島寿人
※取材日は5月14日 
4月15日の中日戦[マツダ広島]で今季初、プロ通算2本目の本塁打。「前で払って、最後は左手で伸ばし切る」イメージが結果につながった
「強く振れる」を武器に
春季キャンプは一軍で完走、紅白戦、練習試合、オープン戦で計4本塁打を放つなどアピールに成功して今季を迎えた。開幕4戦目のヤクルト戦(神宮)では、バントを試みた際に自打球を顔面に受けるアクシデントに見舞われた。しかし、前歯8本を損傷、唇を8針縫った翌日以降も、休まず試合に出場。“ド根性”と話題を呼んだが、その目は冷静に、自身の目指す姿と課題を見据えている。 ──ケガをした当初は、食事も難しかったと伺いました。
二俣 8針縫ったので口を開けるのもしんどくて、なかなかご飯が食べられず……。1週間くらいはゼリーとかだったんですけど、今は硬くて大きいものじゃなかったら普通に食べられています。
──そうした中で、翌日からも試合に出場。どんな思いがありましたか。
二俣 開幕一軍は自分自身、初めてで、スタメンで出させてもらっていたので、このチャンスを逃したくないと。手や足のケガではなかったので、食いしばるのは難しかったですが、投げる、打つ、走るに関してはいつもどおりプレーできる状態だったので。(
新井貴浩)監督に「どうする?」と言われて「出たいです」と直接言いました。
──「根性」と言われますが、これまでの野球人生の中でこうした経験はありましたか。
二俣 ケガとかはあまりしなかったですが、小さいときから親父に結構ビシバシ、鍛えられていたので、そういうところで染み付いているのかなと思います。
──チーム内競争の激しい中で、どのような意識で過ごされていますか。
二俣 末包(
末包昇大)さんや奨成(
中村奨成)さんも結果を出している中で、自分は最初のキャンプ、オープン戦と良かったんですけど・・・
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