1975年はジョー・ルーツ監督の就任から、あらゆるチーム改革が行われた。その中で、球団ペットマークのマスコットであるカープ坊やも生まれている。坊や誕生50年を記念した展示が、本拠地・マツダスタジアム内のギャラリーで、6月末まで開催中。初優勝とも縁の深いカープ坊やを通して、チームの歩みをたどってみた。 取材・文=相原礼以奈 写真=井沢雄一郎、BBM 
歴代ユニフォームに身を包んだカープ坊や人形が並ぶ光景は圧巻
初登場はトラック
1975年に就任して帽子やヘルメットを「闘志の色」の赤に変えたジョー・ルーツ監督は、選手たちのアスリートとしての生活管理や意識の改革にも着手。従来は選手が自ら行っていた道具の運搬も禁止し、荷物運搬用のトラックが用意された。そのトラックに大きく記されたのが、カープ坊やのペットマークだった。一般公募で寄せられたデザインの中から、当時の松田耕平オーナーが「子どもたちに夢を与える男の子のマークに」と決定した。
カープ坊やの誕生日は、75年6月21日。当日の試合では先着5千人に坊やをデザインした紙製帽子がプレゼントされたという。夏には、選手の練習着にもあしらわれた。今回の記念展示では、地元テレビ局の協力を得て、カープ坊や誕生当時の映像も流している。胸にかわいらしい坊やがデザインされたTシャツを着て、真剣な表情で練習をする往年の選手たちの姿が見られる、貴重な機会となっている。
瞬く間に球団の顔として定着したカープ坊や。その誕生直後のオールスターゲームでは、
山本浩二、
衣笠祥雄がともに2打席連続本塁打をマークして鮮烈な印象を残し、「赤ヘル」ブームが到来。勢いづいたチームは、8月に入って首位を独走。途中で
阪神にその座を奪われながらも、10月15日の
巨人戦(後楽園)に勝利して初優勝を決めた。
強いカープが初優勝に向けてまい進する中・・・
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