週刊ベースボールONLINE

2025バット特集 バット今昔物語

従来よりも反発力を抑制 チームカラーが明確化 新基準の金属バットで高校野球は変わったのか!?

 

2024年、高校野球界は大きな一歩を踏み出した。低反発の金属バットに完全移行。春、夏の甲子園大会では前年よりも本塁打数が激減した。最大の目的は「選手の安全性」。飛ばないバットにより、野球も変わった。
取材・文=小中翔太 写真=牛島寿人

高校野球は全国9地区で春の地区大会が開催されている。低反発の金属バットに完全移行して2年目。昨夏の甲子園は48試合で7本塁打だったが、今夏はどう推移していくのか


1980年代に魚雷バット


 開幕シリーズ3試合で15本塁打。世界中からケタ外れの才能が集うメジャー・リーグにおいてヤンキース打撃陣がロケットスタートを切った。この豪打が注目を集めた理由は、驚異的な打撃成績だけではなかった。ポール・ゴールドシュミット、コディ・ベリンジャーらが手にする用具がいつもと違う。使用していたバットは、芯の部分から先端にかけて細くなる形状をしていた。

 魚雷のような形をしたこのバットは「トルピードバット」と呼ばれ、従来のバットより芯が手元に近く、操作性に優れるという特徴がある。実は日本の高校野球でも1980年代にトルピードバットと同じく手元バランスで振り抜きやすいSSKの「ウイングフライト」が人気を博していたことがある。より飛ぶように、より扱いやすいようにと願うのはいつの時代も万国共通。ただし、成績向上とともに安全面も確保されなければならない。

各メーカーが開発競争


 高校野球で金属バットが導入されたのは74年。その前年に・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

特集記事

特集記事

著名選手から知る人ぞ知る選手まで多様なラインナップでお届けするインビューや対談、掘り下げ記事。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング