勝利の期待を背負って9回のマウンドに上がる――。“抑え”という重責を担い続けるには、強い精神力と並々ならぬ集中力、それをもたらすそれぞれのアプローチ、いわば確たる「思考法」が必要になる。3つの質問に対する現役クローザーたちの考えから、その頭の中を読み解いていこう。 写真=BBM
※記録・情報は6月22日現在。年数はNPBでの支配下通算年数。年齢は2025年の満年齢。 Q1.ブルペン入りから登板までの調整法は? 肩をつくる球数は? 平野佳寿[
オリックス/17年目/41歳]
A.リラックスして展開を見つつ/10球ちょっと
石山泰稚[
ヤクルト/13年目/37歳]
A.何が正解かまだ分からない/?球
岩崎優[
阪神/12年目/34歳]
A.一球一球、試合を見ながらつくっていく/だいたい10〜13球
田中正義[
日本ハム/9年目/31歳]
A.7回くらいから体と気持ちをつくる/10球
R.マルティネス[
巨人/8年目/29歳]
A.5、6回からブルペンに入る/10〜15球
平良海馬[
西武/8年目/26歳]
A.ブルペンでまずしっかり準備/?球
栗林良吏[
広島/5年目/29歳]
A.同じルーティンでベストの状態に/11球
入江大生[
DeNA/5年目/27歳]
A.直前のイニングから肩をつくる/10球
松山晋也[
中日/3年目/25歳]
A.5〜6回にブルペン入り/4、5球
共通する準備の意識
主に9回を中心として“最終回のマウンド”、そしてチームの勝利を託されるクローザー。中継ぎとは異なりセーブシチュエーションの9回という“出番”が分かっているのは、栗林良吏が
「逆算して準備している」と言うように大きなアドバンテージになる。調整法は十人十色だが、R.マルティネスが「中日時代からルーティンは変わらない」と語るように、多くの選手が確たる自分なりの調整法を備えている。
試合の状況を確認しながらブルペンに入るタイミングは5〜7回と人それぞれ。共通するのはボールを握る前の準備だ。マルティネスが
「体を動かすことでいつでもアクティブな状態にできるようにしておく」と言えば、田中正義も「7回くらいからウオーミングアップをしながらプライオボールを投げて気持ちをだんだんつくる」、入江大生も「ストレッチして、インナーのトレーニングをして、サプリメントを飲んで、体はいつでも投げられる準備をしつつ、直前までリラックスする」と語る。
平良海馬に至っては
「昔はアップをしなくてもガンガン160キロ近くを投げていたが、最近はアップをしっかりしないとスピードが出ない感じ。投げるまで体をほぐし、チューブでインナーに刺激を入れて、少し重いボールを投げる。そこから野球のボールを握る」と徹底している。
現在は二軍調整中とはいえ・・・
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