高卒8年目で能力が花開きつつある。「一番・中堅」でチームに勝利を呼ぶ西川愛也。チームが上位争いを繰り広げているのも、背番号51が鮮烈な輝きを見せているからこそ、だろう。ペナントレースという荒野を駆ける若獅子から目が離せない。 取材・構成=小林光男 写真=大泉謙也 
西川愛也[西武/外野手]
打撃で100点を目指して
文字どおり先頭に立って打線をけん引している。開幕当初は二番を務めていた西川愛也。4月13日の日本ハム戦(エスコンF)から一番に抜てきされると、トップバッターとしてラインアップに名を連ね続け、得点力向上に一役買っている。秋山翔吾(現広島)がメジャー移籍した2020年以降、課題だった「一番打者不在」が完全に解消された。 ──現在、バッティングでかなり手応えをつかんでいるのではないでしょうか。
西川 100点かって言われると、まだまだそこには遠いと僕自身は感じています。それでもやっぱり今は一番を打たせてもらっているので、非常に毎日がいい経験。これまでにないシーズンになっていると感じています。
──どんなところが一番いい経験になっていますか。
西川 ここまでシーズンを戦ってきたなかで、チームの勝利に貢献できている試合が昨年よりも増えてきているので。その点ですね。
──マイナス点はどのようなところでしょうか。
西川 圧倒的な数字を残しているわけではないですからね。バッティングに関してまだまだ課題がありますし、そこをもっと突き詰めていったら100点に近付くのかなと思います。
──数字で言うと、どのあたりが物足りないですか。
西川 打率に関して2割6分台から2割7分台を行き来しているので……。3割には乗せたいと強く思っています。出塁率もそうですね。得点圏打率(.203)もさらに上げていきたい。やっぱり、100点はまだまだ遠いなと思いますね。
──100点に近付くために、バッティングでの改善点は?
西川 バッティングは状況によっていろいろ変わってくるんですけど、やっぱりもっと力みをなくしたい。脱力することができたら、もう少しいい数字を残せるのではないかなと思います。構えからインパクトまでのスイングに対してですね。
──脱力は昨年途中から意識しているんですよね。
西川 そうですね。昨年8月くらいから取り組んで、そのあたりから徐々にホームランも増えてきて。今年は昨年と比べると全部とまでは言わないですけど、できている打席もありますし、それが徐々に増えてきているということを感じています。
──「狙い球でないときにも良い反応ができているところが、昨年より成績が上がっている要因」ということも口にしていました。
西川 それも脱力が関係していると思いますね。力を0から100に持っていこうとすると、狙いと違う球が来たときに対応が難しくなるので。そこをスイングの最初から最後までを一定のスピードで振れるぐらいの脱力だと・・・
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