補強期間を終えて、各球団は残り50試合ほどのペナントレースを戦う。優勝、またはAクラス死守へ、8月以降をどのようにして臨むべきなのか。セ・リーグは阪神が首位独走中。残る5球団は混戦模様になってきた。 注)支配下選手登録の上限は70人。情報は8月3日現在。メンバー表の選手名の横は背番号、記号は○=新入団、◎=育成から支配下登録、□=NPB復帰 
昨季悔しさを味わった終盤戦へ。好機を得点につなげる、打線のさらなる奮起が待たれる
慢性的な得点力不足の解消が急務だ。2位で迎えた7月は月間16敗と大きく負け越し、借金10の5位で終える大失速。外部補強は行わず、育成2選手と7月末に支配下契約を結び、支配下選手は上限70人に到達した。終盤に失速した昨季の二の舞を避けるためにも、現有戦力での競争が引き続き重要となる。
前半戦は、
森下暢仁が17試合中15試合でQS(先発して6回を3失点以下)を達成しながら5勝(10敗)にとどまるなど、先発陣が思うように白星を伸ばせず。それでも
森浦大輔、
島内颯太郎ら中継ぎを含めて粘り強さを見せ、6月まで貯金をつくった。今季加入のファビアンは6月まで打率.317、チーム最多の10本塁打と打線をけん引したが、7月は月間打率.149と不振に。攻撃力向上を図る打順変更が裏目に出た面もある。チームは一時、16試合連続3得点以下と低迷。好機での凡退も目立ち、作戦面と打線の奮起の両面で打開が必要だ。
借金を返済し、Aクラスに返り咲くには、
新井貴浩監督が「目の色を変えてやってほしい」と語った若手の奮起が不可欠だ。打率リーグトップを争う
小園海斗はチームを引っ張る立場。交流戦から台頭した
大盛穂、代走の切り札にとどまらず結果を残す
羽月隆太郎らへの期待も大きい。一方で、7月に出場を増やした
秋山翔吾ら、ベテランの働きもカギを握りそうだ。
投手陣は先発三本柱に加え、自己最多5勝を挙げた
森翔平、新たな起用法に対応する
栗林良吏らリリーフ陣の踏ん張りも後半戦を占う要素だ。8月1日に2年目左腕の
高太一がプロ初勝利と、新戦力も育ちつつある。
負傷離脱者の復帰も、競争を活発化させる。右肩負傷で登録抹消されていた
中村奨成が、8月1日に二軍戦で実戦復帰。肋骨疲労骨折で離脱の佐々木泰も練習を再開している。
7月31日から2戦は泥臭く接戦を制し1カ月ぶりに連勝。2位以下は混戦のセ・リーグにおいて、投打がかみ合えば浮上の芽は十分にある。
<C担選定>争いの行方を左右するキーマン モンテロ

エレフリス・モンテロ[内野手]
打線活発化の起爆剤に 得点力アップへ、欲しいのは爆発力。7月16日の
DeNA戦(マツダ
広島)、翌17日の同戦と2戦連続本塁打でパワーを見せた。31日の阪神戦(甲子園)では二塁打1本を含む来日5度目の猛打賞。8月3日時点でチームの282得点はリーグ3位、44本塁打は同最下位。メジャー通算21発の実力で、豪快にチームを押し上げられるか。(R.A)
広島東洋カープ 2025支配下選手リスト
【投手】
12
大道温貴、13森浦大輔、14
大瀬良大地、16森翔平、17
常廣羽也斗、18森下暢仁、19
床田寛樹、20栗林良吏、21
中崎翔太、22高太一、24
黒原拓未、26
益田武尚、28佐藤柳之介、29
ケムナ誠、30
滝田一希、34
高橋昂也、35
赤塚健利、36
塹江敦哉、39
長谷部銀次、41
鈴木健矢、42J.
ドミンゲス、43島内颯太郎、45
松本竜也、46
河野佳、47
斉藤優汰、48
アドゥワ誠、53岡本駿、65
玉村昇悟、66
遠藤淳志、67菊地ハルン、68T.ハーン、70
日高暖己、◎98
辻大雅 【捕手】
27
會澤翼、31
坂倉将吾、32
石原貴規、40
磯村嘉孝、57
持丸泰輝、62
清水叶人、64
高木翔斗 【内野手】
00羽月隆太郎、0
上本崇司、2
田中広輔、4
矢野雅哉、5小園海斗、7
堂林翔太、10佐々木泰、33
菊池涼介、44
林晃汰、49渡邉悠斗、54
韮澤雄也、58
仲田侑仁、63
内田湘大、69
山足達也、◎93
前川誠太、94佐藤啓介、95E.モンテロ、99
二俣翔一 【外野手】
9秋山翔吾、37
野間峻祥、38
宇草孔基、50
中村健人、52
末包昇大、55
松山竜平、56
久保修、59大盛穂、60
田村俊介、61S.ファビアン、96中村奨成、97
中村貴浩 【移籍】なし
【退団】なし