2年ぶりのペナント奪還へ向け、チーム一体でまい進するタイガース。まずは、リーグ最強のクリーンアップにフォーカスする。セ・リーグ打点部門はベスト3を独占。「阪神独走」の原動力になっている。最初は主軸打者3人の先陣を斬る三番から。意外性も持ち合わせる入団3年目の若武者。100%のパフォーマンスをフルに発揮し、チームをけん引している。 取材・構成=椎屋博幸 写真=佐藤真一、牛島寿人、宮原和也 
今季は「インサイドアウト」のバット軌道を意識し、センター返しの気持ちで打席に立つ。その結果リーグ2位の本塁打数と打点を挙げることになっている
試行錯誤の毎日
チャンスの場面になればなるほど、25歳の若き三番打者は、何か大きなことをやってくれそうなオーラを漂わせる。常に打席で思い切りのいいプレーを貫くスタイルは、ファンの期待感をふくらませる。フルスイングを完遂させるには、心技体の充実が背景にある。万全の準備と、集中力。頼れる強打者へと日々、成長している。 ──ここまでチームは順調に勝ち星を積み重ねていますが、森下選手自身の調子は好不調もありながらも、しっかりと結果を残していると思います。
森下 チームは好調かもしれないですが、僕自身は順調ではないです。それは僕の中では技術不足があるなと感じていますし、修正不足という感じで捉えています。(技術と調整は)どちらのほうが、ということもなく、同じくらいの不足をしていると感じています。
──それは、今季の中での、よかった時期の打撃を取り戻せていないのか……。
森下 今季というよりは……(プロ入り後)僕自身、大してよかった時期ということはあまりなかったんです。それをもっといい形にしたいと思って、まずはオフに修正に取り組んでいく中で、自分の中では、もう少しできたはずなんですけど、それが今季開幕までに、できていなくて、シーズンに臨んでいるということです。
──オフに取り組み、変えた部分というのは、どういう打撃でしょうか。
森下 変えたという表現は合っていなくて、それまでの自分の打撃にプラスアルファを付け加えたという表現が正しいです。今季は、バットスイングの軌道の「インサイドアウト」に取り組み、センターに強い打球を打つことを心掛けています。
──昨年はやや、体を倒して少しアッパー気味に打っていたように思いましたが、今年はそれが少し違っているなと感じていました。
森下 その指摘は、少し違っていますね(笑)。僕自身、いままでアッパー気味に打ったことはないんです。だから僕的には毎年、ステップアップをしているというイメージです。
──その取り組みをしていく中で、崩されたときに修正して、もう一度、イメージした打撃を取り戻していく作業を繰り返していたということですか。
森下 そうです。でも修正をして取り戻すという表現よりは・・・
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