リーグでも抜きんでた成績を残している先発陣。インタビューに登場してもらうのは、今や右のエースと言っていい剛腕だ。伸びのある真っすぐを武器に、ぐいぐいと押すスタイルでチームをけん引し続けている。 取材・構成=椎屋博幸 写真=牛島寿人、宮原和也 体の強さのバランスを重視
8月10日のヤクルト戦(京セラドーム)で完投勝利し、2年連続2ケタ勝利を挙げた。防御率もリーグ3位の1点台。開幕から毎週火曜日のカード頭の試合を任されてきた。エース格との投げ合いでつかんだ貯金5。完投はチーム最多3と、まぎれもなくエースと呼べる存在だ。躍進の裏では毎試合、修正を加えながら、チームの勝利のために腕をふっている。 ──昨年は13勝を挙げ、確固たる実績を積み上げました。今年も迫力のある投球フォームで仕上げつつ、好成績を維持しているように見受けられます。
才木 自分の投球スタイルを考えると、投球フォームを変えるというよりは、全体的な体の強さのバランスを強化していくほうがいいのかなと思ったので、そちらをベースに体をつくって今季に臨みました。ただやっていることは、去年とは大きく変えることなく、常にやっていることを、より良くしていくという考えでプレーしています。
──より良くするという意味では、例えばフォーシームだと、スピン量を多くするのか、それともコントロールのほうに重点を置くのか……。
才木 スピン量、真っすぐの質、球速を合わせてどれくらい空振りが取れるのかという質ですね。そこを僕は上げていきたいな、と思って取り組んでいます。
──質を上げるという部分では、力いっぱい投げていくのか、それとも下半身主導を重視していくのか……。
才木 その質問の形での答えであれば、下半身をうまく使っていきたいという感じになりますが、でもやはり体全体的な動きや、メカニクスの動きをより良くしていきたいという思いがあるんです。だから、一カ所だけ、もしくはここの部分をということではなく、体全体の動き、力の流れをもっと効率よくというところにフォーカスしてやっています。
──ということは理想の投球フォームが自分の中でしっかりとあるからこそ、そこに近づけていこうとしているのですか。
才木 理想の投球フォームというのはあまりなくて、リリースまでの中で力の流れ、ということを意識しています。体というのは日々、1年ごと変化をしていくものなので、そこで投球フォームが変わってしまうと思うんです。だからこそ、投球フォームを意識するよりも、力の流れを意識したほうがいいのかなと思いますね。
──左足を上げたあとから、投げていく中で、ポイントを押さえながら、流れをつかんでいく感じでしょうか。
才木 ポイントを押さえるという感じではないんですよ。足を上げてから、リリースまでの体の流れの中で、力の入れ方や、流れ方をイメージして投げているという感じです。
──真っすぐ以外のほかの球種を投げるときも同じ感覚なのですね。
才木 そうですね、ただ変化球のときは最後、リリースの部分で変化が出てきます。ただ、そこが違うだけで、リリース直前までは同じ力の流れを理想としています。
──今季は、ここまでその感覚はいい状態が続いているのでしょうか。
才木 はい。真っすぐに関してはいい感覚ですし、いい状態にはなっていると思います。
ズレの修正後に2試合で完投
──しかし、今季はすでに四球が昨年の数を超えています。その部分でも・・・
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