8月31日時点でセ・パ両リーグで3割を超えている打者は2人(規定未到達者を除く)。そのうちの一人がこの男だ。プロ10年目だがレギュラーをつかんだのは昨季という苦労人長い時間をかけてたどり着いた今と、さらなる成長を見据える未来について語った。 取材・構成=阿部ちはる 写真=横山健太、桜井ひとし
※成績・情報は8月31日現在 メンタルと数字の関連性
取材前に今回の企画を説明すると、「発売するころに(3割を)切っていたらどうするんですか?」と苦笑した。毎日変動する数字に周囲はざわつき、自身の心も揺れる。さらに相手があることで、自分の調子だけが成績につながるわけでもなく、結果を残し続ける難しさは痛いほど感じている。それを知るからこそ今は数字を追い求めない。心の奥底にある揺るがない信念を頼りに、日々の戦いに挑んでいる。 ──4月23日の
日本ハム戦(エスコンF)で3安打を放ち打率.326とすると、そこから一度も3割を切ることなく8月の終盤まで来ました。
村林 そのころはあまり打席に立っていないからですよ(苦笑)。
──規定打席に到達したのは5月25日。それ以降も安定した成績を維持し続けています。
村林 毎日必死です。もちろん咋年の同じ時期と比べたら打てているかもしれませんが、でもまだ(シーズンは)途中なので。
──手応えは感じていますか。
村林 どうなんですかね。ただ、昨年139試合に出させていただき、そこで出た課題に対して取り組んできたことが少しずつ(結果として)出ているのかなとは思います。ですが、それは昨年だけではなくそれ以前の経験も含めて、すべてつながっているんです。僕の中では一気にというよりも、少しずつ少しずつという感じですね。
──今年は特に好不調の波の少なさが顕著です。コンディションを維持するために、意識していることはありますか。
村林 メンタルの部分であったり、しっかり自分の体と向き合うというところだと思います。
──メンタル面ではどういったことを意識しているのでしょうか。
村林 自分のコントロールできるところに対して、しっかり時間をかけようと心掛けています。どうしても、コントロールできないところにストレスとかを感じたりすることが多いのですが、そこに時間を割いても結局、自分ではどうすることもできない部分が多いので。特に野球は。自分がしっかりとできる準備をしようと考えていますね。
──今年はそれができている、と。
村林 いやまだ、できるというか……。うーん、次に向けて切り替えるというのはすごく難しいことではありますが・・・
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