データ分析のスペシャリストによる現状の見解を紹介していこう。NPBにおいてはデータ分析や動作解析で、投手優位の環境があったようだ。 解説=森本崚太 取材・構成=杉浦多夢 
カブス・鈴木の進化には数字の裏付けがある[写真=Getty Images]
投手の進化の理由
NPBにおける「投高打低」、平均打率の低下は、さまざまな要因が絡み合って起きているであろうということを前提に、データ分析を行う私の立場から環境面を中心に要因のひとつだと推測できることをお伝えしていきます。
MLBでは2015年に全本拠地球場で弾道測定機器「トラックマン」が導入されました。ボールをトラッキング(追尾)することで球速や打球角度、リリースポイントや回転数、回転軸といったデータを高精度に得ることができるようになったのです。
さらに20年からは「ホークアイ」が導入され、動作解析の精度も格段にアップしていきました。そしてNPBの各球団もMLBから少し遅れる形で「ホークアイ」を導入していき、現在では全球団が導入しています。
MLBではデータの分析もあって「フライボール革命」が起こりました。15年の打者データを基に打率が.500、長打率が1.500を超える「打球速度と打球角度」の組み合わせを示した「バレルゾーン」という指標が生まれ、そのゾーンに入れるための打球速度と打球角度を目指す打撃をする、という方向性になっていきました。
そのフライボール革命に対抗する形で・・・
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