現役時代は鷹打線の四番を務めた「ミスターホークス」。監督就任1年目の昨季は常勝軍団をよみがえらせてぶっちぎりV、2年目も連覇を遂げた。想定外の出来事を跳ね返した今季の頂点こそ、指揮官のタクトが光り輝いていた。 文=小畑大悟[西日本新聞社] 写真=桜井ひとし、BBM 
主力が次々と離脱。就任2年目は苦しみながらも、勝つための決断を繰り返して連覇を遂げた
低迷期を支えたコーチ陣の助言
勝利の瞬間、大きな声を上げ、興奮した表情で選手たちを出迎えた。9月18日の
日本ハムとの直接対決(みずほPayPay)。
小久保裕紀監督は、先発の
大関友久を3回無死で代え、勝ちパターンを惜しげもなく注ぎ込み、劇的な逆転勝ちを呼び込んだ。「延長は考えずに注ぎ込んでいった。本当にいい勝負でした」。ライバルに大きなダメージを与える白星を「決断力」で引き寄せた。
現役時代は「ミスターホークス」として歴代17位の413本塁打を放った。引退後、侍ジャパンの監督を務め、2021年にヘッドコーチとして
ソフトバンクに復帰。2年間、二軍監督を務め、昨季は一軍監督就任初年度でぶっちぎりのリーグ優勝を飾った。「リーダーは決断することが仕事」。球界にとどまらず人脈は多岐にわたり、読書家としても知られる。昨季は強力なリーダーシップで常勝軍団をよみがえらせた。
V2を掲げた今季、王者は開幕から大きくつまずいた。開幕3連敗。昨季MVPの
近藤健介が3試合で離脱し、腰の手術を受けた。
柳田悠岐は自打球による右脚の負傷で長期離脱。
山川穂高は打撃不振にあえいだ。日本版「MVPトリオ」が機能せず、
周東佑京、
今宮健太、
栗原陵矢、
正木智也らもケガに苦しんだ。5月1日には最大借金7の最下位。連覇どころかAクラスさえも危ぶまれた。
「勝つための決断を下していく。コーチ陣にいろんな提案を出してもらって・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン