福岡の地でこれまでに重ねてきた圧倒的なリーグ優勝に比べれば、今季の戦いは苦しいものだったかもしれない。それでも2025年のホークスは、逆境をはね返す確かな“強さ”を備えていた。 文=田尻耕太郎(スポーツライター) 写真=BBM 
5月2日のロッテ戦[みずほPayPay]で劣勢をはねのけ川瀬が逆転サヨナラ打。苦しんだ序盤戦から浮上する分岐点となった
独走劇の歴史
今年、球団の歴史が一つ動いた。優勝マジックを点灯させた9月5日の
楽天戦(みずほPayPay)の勝利により福岡移転後2648勝とし、大阪を本拠地にしていた南海ホークスが2リーグ制以降に記録した勝利数をついに上回ったのだ。
九州に根を下ろしてから初優勝するまで11年を要したが、1999年にパ・リーグ制覇&日本一を果たしてからは「常勝軍団」の名をほしいままにしている。移転後初V以降の27年間で、今季のリーグ優勝が実に11度目を数える。その中には「最強のホークス」を知らしめる、記録にも記憶にも残る誇らしい戦いぶりがあった。
2003年、当時ダイエーの「ダイハード打線」は凄まじかった。三番の
井口資仁が打率.340、27本塁打、109打点、42盗塁で盗塁王。四番の
松中信彦が打率.324、30本塁打、123打点で打点王。捕手でフルイニング出場した五番の
城島健司が打率.330、34本塁打、119打点でシーズンMVP。そして六番を打った
ペドロ・バルデスさえも打率.311、26本塁打、104打点と中軸顔負けの好成績を残した。
プロ野球史上唯一の“100打点カルテット”が誕生したのは、脇を固める打者たちの活躍も光ったからだ。リーグ5位の打率.333を残した
柴原洋が上位ではなく八番打者で起用されていたのがその証しでもある。
村松有人や
川崎宗則など、ラインアップには好打者がそろっており、シーズンのチーム打率は驚異の.297をマークした。これは現在も破られていないプロ野球記録となっており、あの年の超攻撃野球は今もなお語り草だ。
11年のホークスもやはり強かった。レギュラーシーズンでパ・リーグの相手5球団にすべて勝ち越し、さらにセ・パ交流戦でもセ・リーグの6球団すべてに勝ち越して優勝を果たすという、史上初の「完全優勝」でリーグを制したのだった。
FA戦士の加入がチーム力を押し上げた。
内川聖一は打率.338で史上2人目の両リーグ首位打者に輝き、打線を大いに活発化させた。さらに経験豊富な捕手の
細川亨が加わったことでバッテリーが安定した。
完全優勝を果たしたこの年は・・・
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