2007年からスタートしたクライマックスシリーズ(CS)は、半年にも及ぶ長いペナントレースとは違った短期決戦ならではの醍醐味がある。04年からパ・リーグで導入されたプレーオフの戦いを含め、両リーグの過去の名勝負&名シーンを紹介する。 写真=BBM 【FILE.01】燃え尽きたエース
2006.10.12(札幌ドーム)
パ・プレーオフ第2ステージ第2戦
日本ハム 1x-0 ソフトバンク 
斉藤は右手をマウンドにつけて号泣
プレーオフ元年の04年、翌05年とシーズン1位ながら、ソフトバンクはともに第2ステージ敗退。06年は3位から第1ステージで
西武を倒して日本ハムとの第2ステージに進んだ。第1戦を落としてあとがない第2戦、中4日でエースの
斉藤和巳が登板。日本ハムのルーキー・
八木智哉との投手戦が続き、両チームとも無得点のまま9回裏に日本ハムの攻撃を迎えた。
二死一、二塁から打席には
稲葉篤紀。打球は二塁ベースのやや右寄りに飛び、
仲澤忠厚が好捕。二塁にトスしたが間に合わず、その間に二走・
森本稀哲が一気に生還。その瞬間、斉藤はマウンド上で膝から崩れ落ちた。「体の力がすべて抜けました。気づいたらロッカーにいた」。エースの力投実らず、チームは3年連続のプレーオフ敗退となった。
【FILE.02】真っ向勝負に悔いなし
2008.10.20(京セラドーム)
セ・CS第1ステージ第3戦
中日 2-0 阪神 リーグ2位の阪神と3位の中日。1勝1敗で迎えた第3戦は8回まで両軍無得点。阪神は9回から抑えの
藤川球児がマウンドに上がった。その守護神から中日は二死三塁の好機をつくり、打席には四番の
タイロン・ウッズ。フルカウントからの6球目、藤川の150キロの火の玉ストレートをフルスイングして左中間スタンドへ運び、試合を決めた。「読みどおり。真っすぐだけを狙っていた」とウッズ。それを分かっていても真っすぐを投げ込んだ藤川。四球で歩かせる考えなど微塵もなかった。
「見応えがあっただろう。抑えのエースと四番の対決。打つ、打たないは別にしてこれが野球の醍醐味」と中日・
落合博満監督。敗れた阪神は
岡田彰布監督のラストゲームに。涙を流して頭を下げる藤川に、岡田監督は・・・
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